LOVE ME LOVE ME

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いい加減 学んで欲しい。

私は絶対、フニとは付き合わないって。



だって弟の友達だよ？

て言うか、これ以上相関図を複雑にしたくない。


けどフニって、実はモテるんだ。
それもハンパなく。


ユンの部屋で煮っ転がってるあの芋が？って

ミノから聞いたときは、笑い過ぎてあごを外しかけたほど、全く信じなかったけど



強引と言うか、押しが強いとことか

優しさがさりげないとことか、あの甘やかし方とか

受け取る側の気持ちへも気を配るから
嫌悪感も罪悪感も絶対に持たせないところとか


許可も無く彼氏感を出してドキッとさせたり
敢えて辱めるちょっと意地悪なところも

悔しいけど、納得せざる得ない。

ジャガイモのくせに、フニはモテる。
私なんかより確実にモテ要素が備わってる。




｢Aヌナ、お会計は済んでるよ。｣

｢えっ？でもジヌちゃん、あのケチケチ虫が自分で払えって吠えてたでしょ？ユンのくせに。｣




ユンに追加しといたはずのラテの代金は
断固として受け入れない弟に突き返されて

仕方が無いから諦めてレジに行くと

ニッコリと投げたジヌちゃんの視線は
愛犬の写真を自慢する、笑顔のフニを示していた。




ほらね、こういうところなんだってば。

どうせ私の嘘なんて、最初っから見抜いてたんだろうな。


いつもそう。羞恥心が邪魔をしてプライドを守っても、フニは私の嘘をいとも簡単に見破ってしまう。


意識してそうなのか、必要以上に女心を掴むの。

無意識なのかもだけど、それはそれで厄介だ。


今月もお給料日にご馳走しなきゃ。




休憩時間ギリギリでお店を出ようとすると

ユンとミノの後頭部越しに
ウインクしながら、両手の親指を立てるフニ。

ぴらぴらと手を振り返した私は
ありがとう、と声には出さずお礼を伝えて

照れ隠しで視線を落とした腕時計が
通りを挟むだけの職場へ大慌てで戻らせた。






フニは殆ど完璧なの。

優しいし、気が利くし、根本的に誠実だし。


友達が言ってた。
フニくんがモテるの性格だけじゃないよって。

だけど私は、顔だけならジヌちゃんが好み。
顔だけならの話ね。




会うたび告白されても、答えはいつも必ずNO。


いつもあれだから、本気かどうかもわかんないし

弟の友達だから、恋愛対象には出来ない。




根本的に優しくて誠実。

それでいてチャラいのが、イ スンフンなんだ。



弟の友達だからよく知ってるだけで

友達のお姉ちゃんだからって、特別ってわけでもない。

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