LOVE ME LOVE ME

11：A bit stupid nuna ページ30

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お店に来てくれて

買い物もしてくれて


時間が合えば、時々ランチして

姪っ子ちゃんの話を聞いたり
ユンの話をしたり、ハルちゃんの話をしたり。


フニの話も、もちろん自然と話題になる。

後ろめたさを感じることも、なくなってた。


ここ最近、その頻度が増えてたのは

ジュンギさんの来店ペースが
忙しいはずなのに、殆ど毎日だったからで


Aちゃんって、片手をヒラヒラ振る仕草。

ガラス張りの入口に立つ姿は
まるでドラマや映画のワンシーンみたい。

優しい目元が涼しげに微笑むと
少年っぽいその笑顔に、私の胸が高鳴って


これは恋だ。恋に恋してるんじゃない。

こんな素敵な人、好きになるに決まってる。

その度に、私はこうやって
ジヌちゃんの疑惑を、心の中で否定してたんだ。




｢待ってフニ...っ！なんで怒ってるの？｣

｢怒ってるんじゃないから。｣



なのに、すぐに白状できなかった。

本物の恋だって、自信を持ってるはずなのに。



劇場内が暗くなるのは上映開始の合図。

間が悪過ぎるそのタイミングで
私を置いて出て行ったフニの後ろ姿を

カバンも上着も掻き集め、慌てて追い掛けたけど




｢ヌナの好きな人は、ジュンギさん？｣

｢それで怒ってるの？｣

｢怒ってるんじゃないって。聞いてるだけ。｣




置いてったくせに、重たい扉の前で待ってる。

怒ってないって言うくせに、たぶん怒ってる。


不貞腐れて盾突いただけ。

観ないなら帰ろなんて、言葉の綾だ。
フニのバカが、あんなタイミングで聞くから。


どうして、今日は笑ってないの？

俺が悪かったよって
いつもだったら、笑ってそう言うでしょ？




｢答えて。ヌナの好きな人はジュンギさん？｣

｢ねー、どうしたのフニ。なんでそんなこと...｣




自分勝手なのはわかってるんだ。

でも、それを許してくれるのがフニだった。


私が誰を好きになっても、誰と付き合っても

いつだって甘やかしてくれるのに




｢Aヌナ、あの人はダメ。絶対ダメ。｣

｢なにそれ.....フニには関係ないじゃん！｣




怒った顔なんか、知らなかった。

笑顔のフニしか知らないから
またここに置いてかれないように

振り払われないように
服の袖を必死に繋ぎ止めてたけど




｢意味わかんない。なんで急に首突っ込むわけ？
彼氏ごっこしたいなら他でやってよね。｣

｢は？今なんて言った？｣




最初に傷付けたのは私だ。


久しぶりのレイトショーは

フニが好きそうな映画を選んでた。

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