LOVE ME LOVE ME

９：A bit stupid nuna ページ21

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気まずい...

非常に気まずい...


だけど嘘を吐くのもおかしな話で

私を待つなんて、言って欲しくなくて。



だから気まずい。

そしてなぜか、後ろめたい。



相手がジュンギさんだからかな。

この店で出会った彼は、フニの上司だし

全く知らない人じゃないどころか
こっちとは別方向だけど、むしろ近い。


名指しの暴露をさせられる前に
アヤとユンが登場して、助かったけど

あのままフニとふたりで居たらきっと
ジャガイモ探偵の誘導尋問にハマってただろう。



あー危なかった。

届いたビールも飲む前で良かったよ。


いつも通りのフニが、よくわかんないキャラ設定を始めたから、ムカついてたのも忘れて吹き出しちゃった。

飲んでたらフニの顔面にぶっ掛けて
ジャガイモをビール浸しにするとこだったわ。





｢ユンちゃん、それAのお肉ね。｣

｢そういやヌナ、キングダム読んだ？｣

｢だから聞けよ。人の話を。｣




アヤが育ててくれた私の豚肉さんを、もう何度目かの強奪で横取りしてく弟は

それでも耳を傾けないから、代わりに私がその耳をかっぽじってやりたいくらい。




｢面白かったでしょ？Aちゃん。｣

｢女の子なのに少女マンガじゃないの？｣

｢え、ジヌひょんも少女マンガ好き！？｣




最長カップルの登場から少しして
招集を受けたハルちゃんとミノも到着。

それからまた少ししたら
ジヌちゃんも揃って、結局いつもの顔ぶれだ。



ていうかミノ、少女マンガ好きなんだ。

そんな人相して、そんな低い声して
少女マンガとか読んじゃうだね。

面白いから明日オーナーに教えてあげよっと。




｢Aヌナ、あれ頼もうよ。
今日はぜーんぶAヌナの奢りだし〜。｣

｢あっ！ばかフニ！それはダメ！
時価って何？時価っていくらよ！！｣




無駄に長い腕をピンっと伸ばし
壁に貼ってある特別メニューを強行注文したり

楽しそうなジャガイモが意地悪く笑って
人の頭をぐしゃぐしゃにしたり



さっきの気まずさは、一瞬で通り過ぎた。

それがフニの優しさだって、私は気付いてない。



残ったのは、初めて抱くフニへの後ろめたさと

よくわかんない敗北感。虚しさに似た感情。





好きな人できたんだって？、とか聞く？

普通は聞かないでしょ？


もしも本当に本気で

フニが私のことを、好きだったら。



たぶん、遊んでるだけ。

からかったって、お互い無傷だから。


彼女のいない期間に

友達の姉の、彼氏ごっこしてるだけ。

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