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ジュージュー焼ける良い香り。
網の上の豚肉をガン見してるAヌナは
すっかり機嫌を直し、中ジョッキを空にした。
「好きな人できたんだって?」
「あー...うん。」
ヌナのお代わりを頼みながらそう聞くと
ピタっと動きを止めて、わかりやすく目が泳ぐ。
けど、否定はしない。
それが誠意だと思ってるのかもしれない。
「じゃーまた待ってなきゃだな。」
「待たなくていいよ。」
「そんなの俺の勝手だし。
Aヌナがフラれるのを待ってるよ。」
「おいコラ。待つってそっち?」
速達で生ビールを持って来た店員が
俺を睨むAヌナに、ビクッとたじろいで
テーブルの端にジョッキを置いたら
そそくさと逃げるように席を離れてくから
フニのせいだって、また少し機嫌を損ねるけど
「ほーらAちゃん。お肉ですよー。」
「子供扱いすんなバカ。てかフニが食べなよ。」
「お嬢様、お食事をなされてはいかがでしょう。」
「ぶはっ!!なにそれ何キャラ?」
90%本音の皮肉で怒らせても
ヌナの機嫌を取り戻すなんて、お安い御用。
赤っ恥を俺のせいにされたって
いちいち腹を立ててちゃ、ユンの二の舞だ。
それに、わかってるよ。
待たなくていいって言った、ヌナの気持ちは。
だけど待たなきゃ。
俺にはそれしか出来ないから。
だからそういうの、聞きたくない。
俺に男としての興味を持ってくれない、とか
持ってないから、そこだけ切り離そうとするとか
わざわざ凹みたくもないし
そういうのは、これ以上思い知りたくない。
ヌナを想い続ける自分を
虚しい存在になんて、したくないんだ。
「あ!Aが居るー!!」
「アヤだー!!」
視界が煙だらけの店内に響く明るい声。
大喜びで親友を抱き締めるAヌナは、あーもうアヤちゃん愛してる結婚しようって、後ろでゲっと顔を歪めるユンの彼女にプロポーズしてるけど
式はハワイね、なんて答える息ピッタリのふたりは、まるで数年ぶりの再会ぐらいの感動。けど中学時代から毎日のように会ってるはず。
「おいユン、邪魔すんな。」
「待て待てフニひょん。それ俺のセリフ。」
Aヌナとふたりでごはんなんて
俺にとっちゃ月イチだけの楽しみなのに
けど、こうなったらもう無理だ。
ユンもきっと同じ心境なんだろう。
はぁ...と溜息をつき、スマホを出したら
あとはもう決まってる。
「ひょんたちも呼ぼっか...」
「だな...」
9:A bit stupid nuna→←8:Maybe the perfect potato
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はなごん(プロフ) - さあとさん» さあとさん!お久しのぶりなのですヾ(^。^)ノWINNERちゃんのお話でしたが、読んで頂きありがとうございます*(^o^)/* また書けるかなww ふにくんのこのお話以降ずっと書けずにいますが、奇跡的に執筆の神が降臨した際はよろしくお願いします(*´□`*) (2019年9月19日 14時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)
はなごん(プロフ) - マイさん» あわあわヾ(・ω・`;)ノ返信が遅くなり申し訳ありません(;´д`)久しぶりの浮上にもかかわらず読破頂き嬉しいです( *´艸`)ふにちゃんの彼氏感はもう罪ですよね← (2019年9月19日 14時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)
さあと(プロフ) - わぁお久しぶりです(^^)たのしかったぁ(^^)(^^)またの投稿お待ち申し上げております(^-^) (2019年9月18日 12時) (レス) id: 922fb22c2f (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - またはなごんさんの作品が読めて嬉しかったです\( Ö )/ふにちゃんに振り回されたい...... (2019年9月16日 22時) (レス) id: ef8fe776db (このIDを非表示/違反報告)
はなごん(プロフ) - Raylaさん» 久しぶりの妄想劇場にいらして下さりありがとうございます(´∀`*)もし一途な年下くんを発見致しましたら、是非ともはなごんにもご一報下さいませ(」゜口゜)」 (2019年9月8日 21時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はなごん | 作成日時:2019年8月31日 16時