LOVE ME LOVE ME

６：Maybe the perfect potato ページ15

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｢あのね、フニくん。
とっても言い難いんだけど...｣

｢Aヌナでしょ？ミノから聞いた。｣




上手く笑えてたはずなのに

アヤちゃんは悲しそうに眉毛を下げた。



ヌナに好きな人が出来た報告なんか

出会ってから何度も経験したし、聞き飽きてる。


またかって、そんくらい。

その度ズキンと痛む胸にも、もう慣れた。




｢Aヌナ、またなの？｣

｢誰？聞いてないんだけど。｣




ほらね。俺だけじゃない。みんな慣れてるんだ。


相変わらず広いアヤちゃんちを
転がり込んだからって我が物顔のユンも

今日はお客さんでエプロンをしてないジヌひょんも


” Aさんがスマホ見てニヤついてる ” って

いつもの症状に気付いて
すぐ俺にLINEを送ってきたミノも




Aヌナが

俺じゃない誰かを好きになるのなんて


慣れてしまった。

いつものことだら...。





｢お待たせ―。これなーんだ？
わぁお！！旨そうなチキンだよ、ハルちゃん！｣

｢わぁお！ほんとだねミノくん！！
見て見て！じゃじゃーん！ビールもあるよ！！｣




漫才コンビカップルもアヤちゃんちに到着して

ヌナを仲間外れにした集会が開かれるのも
Aヌナに好きな人が出来た時の恒例行事。


だいたい、招集を個人に連絡する時点で

知らなくても勘付いちゃうじゃん？

全員を集めて呼び出すなら
メンバーが揃ってるグループを使う方が効率もいい。



会社じゃこんな姿を見せないハル先輩だって
そのうちきっと、慣れると思う。

俺を慰めようとする、お節介なみんなや

フラれることにも傷付くことにも慣れた、それでも諦めの悪い俺みたいに。




｢フニひょんさー
悪いことは言わないから、そろそろ...｣

｢俺に彼女居たって知って怒ったくせに。
まったくよく言うよな、シスコンスンユン。｣




簡単にそう出来るなら

とっくの昔に諦めてるんだってば。


ぎゃーぎゃー否定し出したユン。

君の姉は
何年も俺に恋させる、意外と魔性の女だよ？



いつか振り向いてくれればいい。

いつかこの気持ちを、受け取ってくれれば...



そう言い聞かせて耐えるだけ。

俺は変わらない。




｢フニくん、それってほんと？｣

｢ほんとほんと。ヌナが好きなんじゃないのぉって、すごい剣幕で。｣

｢そっちじゃなくて。彼女、居たの？｣




手際良くチキンの箱を開けながらそう聞いたアヤちゃん。


頷くと、彼女`ｓとジヌひょんが

ニヤリ...と、顔を見合わせた。

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