173 秘宝 ページ39
Aの伝言を受け取っていたアレンは、魔法省の中に潜入していた。
将来自分もここに入るのだと誓った魔法省は、正直目も当てられない有様になっていて、勤めなくてよかったと、ホッとしていた。
ポリジュース薬で局員に変装したアレンは、何食わぬ顔で堂々と、魔法省の地下へと降りていく。
魔法使い並びに、魔女達の名簿や経歴など雑多な情報が保存されている保管庫へと直進したアレン。
中央の座席に座り、睨みをきかせているゴブリンににこりと笑った。
「やあ、ちょっといいかな？」
「はいなんです？」
仏頂面な上に何だこいつと言いたげなゴブリンに、アレンは営業スマイルで尋ねた。
「ここで魔女の名簿を見せてもらいたいんだ。
既に亡くなっている人なんだけど、」
「はあ？故人の名簿なんかあるわけねえだろ、若造が。」
途端に口調の悪くなったゴブリンに、アレンはやれやれという顔をした。
「(変身する相手間違えたな…)」
チッと内心舌打のアレンは凄みを効かせるように、ゴブリンに詰め寄る。
「確かに童顔だけど僕は立派な局員だ。
これ以上邪魔するようようなら、業務妨害で君の上に報告するけど、
いい？」
にっこりと笑みを深めたアレンは、ずいっと近寄るふりをして、体の陰から杖をぐりぐりっと押し付ける。
「こんの、」
脅されたゴブリンがあせって緊急ボタンを押すが、失神呪文を唱えたアレンにそれは阻まれた。
まるでさっきのやりとりなどなかったかのように、歩き出すアレン。
「(えーっと、
マロニエ、マロニエ、)」
純血の一派として有名なマロニエの資料、だがアレンの予想を上回るほど、その家系に関する情報がなかった。
「(なんだこれ、)」
簡易記載のみで、住所登録も名前も明らかにデタラメな記述になっている。
当然ながら、Aの情報も少ない。
探すべき人物、マレリーヌの詳細も生まれと本名と職業と死因しか残っていない、まさに始まりと終わりだけの記述にアレンは舌打をした。
「(酷いな、これじゃあ何があったのかさっぱりだ。)」
お手上げと言わんばかりにアレンは即、マロニエの情報を放棄し、次に自分の性を探し始めた。
「(物心ついた頃から、親父だけだったからなあ、)」
と考え事に浸りながら、資料を漁っていると、ギョッと目を見張った。
親戚縁者の中にマロニエの名と、もう一つ意外な名前が記されていた。
「(グリーングラス、だと？)」
アレンの脳裏にクラシスの名前がちらついた。
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アサノ(プロフ) - ゆずさん» 出てくる人間の性格は結構こだわっているので、嬉しいです^ - ^楽しみして貰えるとは、ありがとうございます(^^) (2017年9月18日 20時) (
レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 次回も楽しみにしてます！内容や登場人物が薄っぺらくなく、とても読み応えがあって面白いです！これからも頑張ってください！ (2017年9月18日 19時) (レス) id: 8be8c5e4d7 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - みゆきさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！最後までお付き合いして頂けると嬉しいです^ - ^ (2017年9月17日 20時) (レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 完全オリジナルのストーリー面白いです！すごく読みごたえがあります!!これからも頑張ってください(*´-`) (2017年9月17日 18時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - はなさん» ありがとうございます^ - ^楽しみしていただけると励みになります。こちらこそ宜しくお願いします(^^) (2017年9月16日 23時) (レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月16日 13時
