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一人、巨大なラクリマの前に立っていたAは、カウントを口ずさむ。


「5」


足をしっかりと構え、


「4」


足の裏に魔力を溜め、


「3」


すっと上を見上げ、


「2」


だっと渾身の力で飛び上がる、


「1」


振り上げた足を思い切り、ラクリマに叩きつける。


「0」



ぱあんっと呆気なく崩れ去ったラクリマ。
そして黄色い光がAの全身を包んだ。


「なんだなんだ!?」

ゼロの腹部を渾身の力でぶん殴ってくれたナツは勿論、それは、他の面々にも同じだった。

「なんだ。どうして急に魔力が。」
「あれ?
ジェミニーのおかげで壊せたはずなのに、魔力が戻ってきてる?」
「メェーン、これは、一体…」
「シャルル。これっていったい…」


「さすがだな、A。」

換装し終えてもなお、エルザの手の中から黄色い輝きが止むことはない。
吸収されていく魔力は確かに絶大なもので、それでいての各々体に合わせるようにどんどん吸収される。

一方、間一髪のところで気を失わずにいたゼロは信じられないというように目を見開いてた。

「どういうことだ。俺の魔力が、どんどん失われる。」
最早意識を保つことすら難しいその状態にナツは一人呆然とし、そしてにやりと笑った。


「そうか、わかったぞ。

これは、Aの魔法だ…」


ぼんやりと呟いたナツは、ふっと笑いながら、手の内に戻ってくる魔法を、肌で感じていた。









「え?フェアリー、レフリー?


妖精の審判ですか?」


なんとか六魔とニルヴァーナの撃破に成功したメンツは、崩壊するニルヴァーナからなんとか脱出を図った。

腕を組んでいるエルザに、ボロボロになりながらもなんとか立っているA。
そしてシャルルを膝に乗せ、その頭を撫でていたウェンディは不思議そうに見上げ、そう尋ねた。


「ああ、Aがギルドに入ってから編み出した技の一つでな。
話には聞いていたが、まさか本当にやってみせるとはな。」

感心したように微笑むエルザに、すっと真顔で視線を逸らすA。

「別に感心するほどのことでもないでしょう?」
「そんなわけあるか?
あれを会得できれば、フェアリーテイル3大魔法にも匹敵する威力だ。」
「バカ言わないで。

私がやっているのは、敵対する相手の魔力を術者が味方だと判断したものに還元できる技。
しかも私自身ができるのはきっかけを与えるだけ。
まだまだ改善の余地が大有りよ。」

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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» 今度、そちらのコメントの方にお邪魔しますね。いつもありがとうございます。 (2020年1月5日 13時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» すみません、紅蓮の起死少しずつ読んでいますが、まだコメントに残せていなくて申し訳ないです。世界観が細かくていいですよね。コナンシリーズも今度みたいと思います。実はあんまりROM専じゃないというのもあって、読むスピードが壊滅的に弱いんですよね。 (2020年1月5日 13時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お忙しいかと思いますが、もし宜しければ一度見て行って下さい。紅蓮の起死が題名になっている筈なので。最近、またコナンシリーズを再度投稿しています。原作の方で灰原の正体が世良真澄に見抜かれているお話がありました。意外に、世良真澄は個人的に好きです。 (2020年1月5日 0時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 成る程。キャラの口調はキャラの特徴ですからね。私の場合は出来るだけマンガを参考にさせて貰って書いています。コナンの場合は大まかなストーリーをなぞりながら。あの、お話がずれるますが、以前こちらの状態で没にしていたオリ作の小説を投稿し始めました。 (2020年1月5日 0時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» キャラの口調とか、大まかなストーリーの流れを外さないように、一応アニメを見ながら描いています。アニメを見ながら、主人公ならこうしそうだなと妄想して、それから文章に起こしています。説明臭くなるのは、私の努力不足ですね、もっとがんばります。 (2020年1月4日 16時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イライザ | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年1月1日 12時

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