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「まさか本当に使うことになるなんて思わなかったけどね。」


Aの怒りを込めたため息に、お、おお〜〜とナツは曖昧な返事をした。

「…普通一週間でその魔法の特性やらなんやらを覚えた上に、使いこなせるか普通…
しかもあれって、ロストマジックじゃなかったか?」

グレイのあきれ返ったような声に、Aは真面目に眉にしわを寄せた。

「ロストマジックだからって何?
ヒビキも言っていたけれど、アーカイブは常に進化し続けているわ。
私がやっていることなんて、ただの素人のものよ。

それにいくらアーカイブが使いこなせていても、彼らの目的が分からない以上にはなんともできないわ。」


悔しそうに下唇を噛んだAに、それならわかるぞと声がかかった。


「その声は、リリー?
どうしてここに、まあいいわ、とりあえず念話に入れるわね。」

「ああ、頼む。」

少しのノイズと共に、鮮明に響いてきたリリーの声。
それは、マスターマカロフを倒したハデスが吐いた情報だった。

「…何ですって、大魔法世界…魔導士だけが生きることができる世界…破綻した論理だわ。
そんなもののためにゼレフを連れ去ろうとしていたなんて……というかこの島にゼレフがいるの?!」

Aの怒涛のツッコミに、グレイはそんなこと今はいい!!と一刀両断にしてくれた。

「おい!A、そろそろこの余計な奴ら何とかしてくれねえか?!」
「まってそっちは後少しでできるわ。」


Aがアーカイブの一部にアクセスする。

「島全体にいる伏兵達へ、アドレス送信。
強制的にこの島より離脱せよ。
天狼島の効果によりこの土地で魔力を発動することを強制的に不可とする。」

島と彼らの魔力を切り離し、強制的にこの島では魔力が使えないところまでアクセスしたA。

エルザや、グレイ達が相手をしていた伏兵達は一気に動きを鈍らせた。

「Aか。」
「一気に動きが鈍くなったじゃねえか。
さすがAだぜ!」

念話の向こうから聞こえる声に一瞬安堵した時だった。
Aはアーカイブで不吉な音を感じた。

「…何かしら今の音。」
「多分、余計な何かがこの天狼島にジャックを仕掛けているのよ。」


アーカイブを展開していたAの背後には、翼をはやしたアルがいた。
念の為島全体を見てもらえるように飛んでもらっていたのだ。

「アル…それって。」
「私、耳がいいの。」


トントンと耳を叩いたアルは険しい表情をした。

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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» 今度、そちらのコメントの方にお邪魔しますね。いつもありがとうございます。 (2020年1月5日 13時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» すみません、紅蓮の起死少しずつ読んでいますが、まだコメントに残せていなくて申し訳ないです。世界観が細かくていいですよね。コナンシリーズも今度みたいと思います。実はあんまりROM専じゃないというのもあって、読むスピードが壊滅的に弱いんですよね。 (2020年1月5日 13時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お忙しいかと思いますが、もし宜しければ一度見て行って下さい。紅蓮の起死が題名になっている筈なので。最近、またコナンシリーズを再度投稿しています。原作の方で灰原の正体が世良真澄に見抜かれているお話がありました。意外に、世良真澄は個人的に好きです。 (2020年1月5日 0時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 成る程。キャラの口調はキャラの特徴ですからね。私の場合は出来るだけマンガを参考にさせて貰って書いています。コナンの場合は大まかなストーリーをなぞりながら。あの、お話がずれるますが、以前こちらの状態で没にしていたオリ作の小説を投稿し始めました。 (2020年1月5日 0時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» キャラの口調とか、大まかなストーリーの流れを外さないように、一応アニメを見ながら描いています。アニメを見ながら、主人公ならこうしそうだなと妄想して、それから文章に起こしています。説明臭くなるのは、私の努力不足ですね、もっとがんばります。 (2020年1月4日 16時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イライザ | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年1月1日 12時

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