076 ページ26
「A、すまない、君を巻き込んでしまって。」
「いいのよ、ああそうだったわ、
一ヶ月かかると思っていた任務だけど、あれ、なんとかなったわよ。」
「…如何いうことだ？」
「言ったでしょう？
彼女は死んでない。
だから、エドラスの私、覚悟しなさいよ、」
ジェラールの腕の中で泣きじゃくっているエドラスのAは驚いた顔をした。
「覚悟って、なに。」
怯え切った目をしていたエドラスのAに、アースランドのAは優しく笑った。
「生きる覚悟。」
そう言って優しく彼女の額に一つキスを落とした。
瞬間、エドラスのAは輝かしい光を帯びた。
驚いているジェラールをよそに、Aはただ笑みを浮かべるだけ。
そして数秒もしないうちに、Aから光は溶けた。
容姿も寸分たかわず、怪我を負った場所もまた変わっていない。
だがエドラスのAはたしかに変わっていた。
人形のAから、エドラスのAへと。
「… A、これ、この体、人形じゃ。」
「貴方が死んだと思っていた身体、実はアースランドにいたのよ。
私が受けた依頼は2年前からフェアリーテイルに依頼されていたもの。
本当はジェラールのゴーサインが必要そうだったけれど、無理をして行ってきたの。
依頼の内容は【2年前から眠り続けている、天から落ちた少女を救ってください。】ってね。」
「…それって、」
「そう、アニマを通じて貴方の体はアースランドへ。
でも落ちたショックと、ジェラールへの強い思いがあり、貴方の意識はエドラスにとどまった。
あとは私が眠り続けている貴方の体に転換と召喚の魔法陣をかけて、エドラスに向かい、とどまっている貴方の意識を探すこと。
それを踏まえて一ヶ月かかると思っていたけれど。
でもこんなに早く終わるなんてね。」
優しく笑ったAに、エドラスのAはもう言葉もないというくらいに泣いていた。
アニマの逆転送に引き込まれるAは最後に、エドラスのAとジェラールの手を取った。
「最後に、フェアリーテイルの魔導師として、この任務を遂行できたことに誇りに思うわ。
ジェラール。
このイヤリング、記念にもらっていいかしら。」
灰色の三角形のイヤリングを揺らしたAに、ジェラールは、どうぞと言って苦笑いした。
「フェアリーテイルのギルドに、貴方がいたことを感謝します、」
その言葉を最後に、Aはスッと吸い込まれていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» 今度、そちらのコメントの方にお邪魔しますね。いつもありがとうございます。 (2020年1月5日 13時) (
レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» すみません、紅蓮の起死少しずつ読んでいますが、まだコメントに残せていなくて申し訳ないです。世界観が細かくていいですよね。コナンシリーズも今度みたいと思います。実はあんまりROM専じゃないというのもあって、読むスピードが壊滅的に弱いんですよね。 (2020年1月5日 13時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お忙しいかと思いますが、もし宜しければ一度見て行って下さい。紅蓮の起死が題名になっている筈なので。最近、またコナンシリーズを再度投稿しています。原作の方で灰原の正体が世良真澄に見抜かれているお話がありました。意外に、世良真澄は個人的に好きです。 (2020年1月5日 0時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 成る程。キャラの口調はキャラの特徴ですからね。私の場合は出来るだけマンガを参考にさせて貰って書いています。コナンの場合は大まかなストーリーをなぞりながら。あの、お話がずれるますが、以前こちらの状態で没にしていたオリ作の小説を投稿し始めました。 (2020年1月5日 0時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» キャラの口調とか、大まかなストーリーの流れを外さないように、一応アニメを見ながら描いています。アニメを見ながら、主人公ならこうしそうだなと妄想して、それから文章に起こしています。説明臭くなるのは、私の努力不足ですね、もっとがんばります。 (2020年1月4日 16時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：イライザ | 作者ホームページ：
作成日時：2020年1月1日 12時
