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「その体の、どこにそんな力がある!!」


しつこいAにいい加減ブチ切れた男に、Aはふっと笑った。

「確かにわたしには無いものばかりよ。

ナツのようなバカみたいな体力も
エルザのような切れ味のある鎧も剣も、
グレイのような自らを守る防御魔法も
ルーシィのような契約を結ぶ星霊たちも
ハッピーのように空を飛ぶ翼もない、



でも、私はこのギルドを、背負うことを許されている。」


大きく開いたドレス、
黒く揺れる髪の狭間から、灰色に輝くフェアリーテイルのギルドマークが見える。



「私にはみんなのようにギルドのマークが見えることはないわ。

でも必ず私の背には、私の背を押してくれる、ギルドがある。
私の動力源、言うなれば、それが全てってところかしらね。」


飛び続けた中、Aは一瞬だけ着地する。
魔力を高めるために足場を必要としていたのだ。


「ふっ。ギルドだ?背に背負うだ?

何を訳の分からないことを、形ある限り俺は破壊を望む。
てめえが気絶しようが何しようが知らねえ。

てめえの言葉でてめえの身を滅ぼすがいいさ!」

ブレイン、又の名をゼロ。
Aはすっと息をひそめた。




「さあ?
それは本当に私の身を滅ぼすのかしらね。」


男の拳がAのお腹に減り込む中、Aはぐっと体の重心を深く落とした。


「妖精の審判!(フェアリー・レフリー!)」


金色に輝くそれは、男の鳩尾にぶち当たった。

「なっ、」

金色に輝くそれは、確かに強大な魔力だった、



「だが、おいおい甘いんじゃ無いのか?!」


金色の光は、男を縛りつけもせず、殴り倒したりもせず、かと言って気絶させるわけでもなく、確かに男の内側、腹の中へと吸い込まれた。


「大したことないなっ!」

片足一本で立った男は、Aをそのまま足蹴にした。


壁に撃墜したAは、それから先、身を起こすこともなかった。
指先一本動かす余力のないその姿に男は鼻で笑い飛ばした。



「所詮はその程度が、


妖精如きが、俺様の邪魔をするんじゃねえ、」


そう吐き捨てるように言い放った男は、サッと身を翻した。









「…っ、誰か、誰かいないのか!!!」


確かにその声は、Aの脳裏に響いた。


「頼む、誰か答えてくれ!!」


Aに答えるだけの体力はなかった。
意識が朦朧とする中、脳内の念話に次々に誰かが答える。


「(エルザ、ウェンディ…)」

念話の持ち主であるヒビキの声が再度呼びかけの声を出す。

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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» 今度、そちらのコメントの方にお邪魔しますね。いつもありがとうございます。 (2020年1月5日 13時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» すみません、紅蓮の起死少しずつ読んでいますが、まだコメントに残せていなくて申し訳ないです。世界観が細かくていいですよね。コナンシリーズも今度みたいと思います。実はあんまりROM専じゃないというのもあって、読むスピードが壊滅的に弱いんですよね。 (2020年1月5日 13時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お忙しいかと思いますが、もし宜しければ一度見て行って下さい。紅蓮の起死が題名になっている筈なので。最近、またコナンシリーズを再度投稿しています。原作の方で灰原の正体が世良真澄に見抜かれているお話がありました。意外に、世良真澄は個人的に好きです。 (2020年1月5日 0時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 成る程。キャラの口調はキャラの特徴ですからね。私の場合は出来るだけマンガを参考にさせて貰って書いています。コナンの場合は大まかなストーリーをなぞりながら。あの、お話がずれるますが、以前こちらの状態で没にしていたオリ作の小説を投稿し始めました。 (2020年1月5日 0時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» キャラの口調とか、大まかなストーリーの流れを外さないように、一応アニメを見ながら描いています。アニメを見ながら、主人公ならこうしそうだなと妄想して、それから文章に起こしています。説明臭くなるのは、私の努力不足ですね、もっとがんばります。 (2020年1月4日 16時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イライザ | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年1月1日 12時

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