133 アズカバン ページ40
「(…まったくこんなの見せてどうしろっていうのよ…)」
恨みがましげに背後の人物を睨みつけたA。
関節を全て固定され、背後に倒れそうな今現在。
小指一つ動かすことより造作無いそのやり方にAは呆れるしかない。
そして、仕方なしに完全に支えてもらっているこの体制の意味を、Aは考えるまでもなく分かっていた。
「(どうして魔法使いがこんなところに…)」
マグル街と知って徘徊してた現場に、こうも魔法使いばかりが集結する意味をAはあまり考えたくない。
「(…何を考えてるのかしらね…)」
せめての抵抗と言わんばかりにきっと睨みつけていると…
「なら余計な手間を掛けさせるな。」
「すみません。」
落ち込んだように頭を下げたままの息子を一瞥したルシウスは、そのまま踵を返すかと思った。
「…行くぞ。」
たった一言、その一瞬だったのに何故かチラリとこちらに一瞥された瞳。
暗闇の中寸分の狂いもなく交わったその視線に、Aはどきりとさせられた。
それは、夢見る乙女が望むような胸の高鳴りではなく…本能にも近い、不味いという不確定なソレ。
Aの悪寒を確かにするように、つうっと背中に流れたソレ。
気持ち悪さを堪えるように、こくんと静かにソレが音を立てた瞬間、ふっとあっけなく離れた視線。
実際には0，5秒程度の出来事だったソレ。
当人達以外は何も知らないまま、ドラコはしょぼくれた顔のまま父親の後をついて行く。
ドラコ…といつもなら懇願にも似たような言葉が、胸の内を埋め尽くすが、今のAにそんな暇はない。
首、肩、腕、手首、指、腰、足、足首、各々の指。
溶けた氷のように戻って行く感触を黙って感じていたAは、体の自由が確約されたその瞬間、
「、」
瞬間的に、足を払い、男の体制がわずかに崩れたその瞬間、脇に開いたわずかな隙間をすり抜けた。
「(こんなところで…、こんなところで…っ！！)」
殺気にも近い感触がどす黒くAの思考回路を埋め尽くそうとしたその瞬間、
「そこまで、」
と誰かの生死の声とともに、視界がガクンと上に向く。
髪を引っ張られた、そう確信を抱いた時にはもう遅かった。
先ほど自分がやったように足を払われ、背後の人物と視界が絡む。
「っ、」
喉元にピタリと当てられた杖。
冷たいなんて生易しいものではないその感触に、息を飲む。
「鬼ごっこは終わりよ、A。」
鮮やかなプラチナブロンドを揺らした彼女は、愉快そうに笑った。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
