132 アズカバン 変わらない事実 ページ39
ホグワーツに戻れ、その言葉はAにとって最早予想外の言葉だった。
これ以上ここにいても何も得られないと思って、祖母の要求にも応じたのに、それがどうだ。
その言葉一つでAの予定は大きく狂わされたわけだ。
「…全くどうしろって言うのよ…」
ぽつりと悪態をついたAは、祖母の目を抜け出して飛び出した街の中を適当に徘徊していた。
徘徊という言葉は使い方次第で良くも悪くもなるが、この場合は言葉のままだった。
行く宛もないまま歩き続けていると…
「ドラコ何をしている、早くしろ。」
鋭く低い声にAの足はピタリと止まった、
止まってはいけないのに、止まってしまったその足にチッと小さく舌打ちをしたAは、最後だからと自分に言い聞かせる。
ゆっくりと振り返った先には、長い間見慣れた少年。
だけど今の彼は何も知らない。
そんな不思議で何も疑問の余地もないこの関係に、Aは小さく自嘲的な笑みを漏らした。
数年前まであの隣で好き勝手やっていた自分を懐かしく思っていると…
「っ、」
一方的に見つめていたはずの目線は何の予兆もなく交わった。
「っ、」
向こうも何かに気がついたようにわずかに目を見開いた。
こくんと喉を飲む音が聞こえた瞬間、Aはタッと踵を返した。
「…バカ何やってるのよ…」
他の誰でもない自分に叱咤したAは、速足をさらにはやめて走った。
あ、とか、おい、とか声が聞こえてくるが今のAには関係ない。
つうっと握りしめた手に冷や汗が伝った瞬間、ぐいっといきなり路地裏に引き込まれた体。
叫び声を上げようとしたその瞬間、むぐっと塞がれた唇にAは青ざめた。
「ドラコ、どうしたんだ 。」
路地裏を通り越し、走り去って行く彼を呼び止める父親の声。
ピタリと止まったその声に、Aはぐっと腹に力を込めて暴れまわったが、適切に関節が動かなくなり、Aはその場に棒立ちになってしまった。
「父上。」
走っていた足を止めたドラコは、上下する方を抑えるように振り返った。
「どうしたんだいきなり走り出して。」
「いえ…知人を見かけような気がして…」
「知人、まさかAが戻ってきたのか？」
「い、いえ…多分違うと思います。」
父親の目を見て答えられないドラコにAは小さく同情した。
それもそうだ。
ドラコの中にAという少女はいない、見かけたも何も探す相手すら知らないのだ。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
