131 アズカバン ページ38
めんどくさそうな顔をしている孫を一瞥した老婆は、こほんと一つ咳払いをした。
「貴女が聞きたいのはクラリス・スミスの行方でいいのかしら？」
「ええ。」
「そうなら答えは簡単です。
そんな方は知りません、」
「はあ？」
「ですが…全く面識がないわけではないのです。」
ポロリと口に出したその言葉に、Aは眉をひそめた。
普段なら見えてくるはずの話の着地点が、今のAには全くと言っていいほど見えていない。
動揺をあらわにしまいと必死になる孫を他所に、クラリスは淡々とした口調で続けた。
「私は確かにクラリス・スミスを知っていますが、貴女たちは一つ大きな誤解をしている。
私と彼女は全く同じではないのですよ。
ただ、同い年に生まれ、同じファーストネームを持ち、そしてたまたま似た容姿を持っていただけのこと。
そう貴女すら勘違いするほどのね。」
「…随分と都合のいい話ですね。
なにをそんなに誤魔化そうとしているんです？」
「誤魔化しなんかじゃないのよ。
私と彼女は全くの別人、かといって彼女と私がおんなじなわけがないのよ、そう、それだけは信じて頂戴。」
縋ったような声を出す老婆に、Aはすっと半歩だけ間を取った。
「仰っている意味がわかりません、同一人物でないと言う証明がどこに？」
「…それは…今は出せないわ。」
悔しそうにぎりっと歯ぎしりした老婆に、はっとAは鼻で笑い飛ばした。
「話になりませんね。
まあ、この際ドッペルゲンガーでも構いません。
問題はどうして今までそのことを話さなかったんです？
事情を全くといっていいほど知らないロンの前ですら、いつかバレるかもしれないと言う、リスクを背負ってまで嘘をついた。
なぜそれを？
と言う顔をしていますが、貴女こそ何言ってるんです？
この私が貴女に連れていかれるまでの間、ぼんやり待っていたと、本気で思っているんですか？
私は1000年前に生き、クラリスの名前を継いだAという少女のことすら知っている。
その少女がゴーストの記憶でしか生きていないことも、そして行方不明のままのスリザリン卿との事も。
もうはぐらかされるのはうんざりなのよ！」
堪えていたはずの怒りをぶちまけたAを前に、老婆は言葉を失っていた。
「…そう、そこまで知っていたのなら…一ついいことを教えましょう。
全てを知りたければ、ホグワーツに戻りなさい。」
支離滅裂なその言葉を前に、Aが絶句したのは言うまでもない。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
