130 アズカバン ページ37
「……はあ？」
たっぷりとした間を持たせた後、意味がわからないと声を上げた老婆。
予想の範囲内の回答にAはどこかホッとしたような顔をした。
「そうですか、知らないという答えなら結構です。
お手間を取らせました「どこでその名前を聞いたの？」
キーキーとした声高な声で詰め寄った老婆は、Aの呆れた顔なんてすでに見えていない。
いつだったか赤毛の彼にも同じことを聞かれたが、あの時と、Aの質問は全く別物だ。
切羽詰まったような声に、Aは珍しく片眉を上げ、訝しげな目つきで老婆を見上げた。
「何をそんなに焦っているのです？
何かまずいことを言いましたか？」
「当たり前です、その名前をどうして貴女が知っているの。」
「アルフレッド・スミスという方をご存知で？」
「アルフレッド…スミス家のご子息か何かで？」
「ええ。
その彼に今から一年前に依頼されたですよ。
彼はクラリス・マロニエの旧姓がスミス家だと確信していた。
そして不死鳥の騎士団に移りこんだ一人の女性を、クラリス・スミスだと断定した。
もう言わなくもわかるでしょうが、スミス家から不死鳥の騎士団員が出たことは、彼らにとっては汚点も同然。
どこで掴んだのかは知りませんが、貴女の動きも注視しているようですよ。
さらにいうのなら、彼は何か知っている。
去年、ジネブラ・ウィーズリーがさらわれる元凶となった日記を、彼女が手放した後に私に預けたのは他でもない彼なのですから。」
淡々とした口調でいつもよりも饒舌に語ったAは、クラリスの動きに注視していた。
目線を彷徨わせ、手をブルブルと震わせている老婆は、先ほどの強気な姿勢から一変、へなへなとへたり込んだ。
「私に素直についてきたのは、それを聞く為なのね。」
「当然。」
「はっ、その物言いと言いほんと私にそっくりだこと。」
言われても嬉しくない褒め言葉に、そうですかとAは適当に流した。
どのみち正解をここでもらえるとも思えないのだ。
過剰に期待しなかっただけまだマシだと、自分を納得させようとしたその刹那。
「分かりましたそれを条件にして、金輪際あんな我儘なことをしないというのなら、易いものです。」
「…随分と安い秘密なんですね。」
ふっと鼻で笑い飛ばしたAだが、老婆は黙って睨みつけるだけ。
「いいこと、A。
聞くからには覚悟を持って聞きなさい。」
改めてきちんと座り直した老婆に、Aは余計なことをしたなと、薄らと確信した。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
