125 アズカバン ページ32
そんな彼の疑問に一瞬固まったクラリスだが、次の瞬間腹を抱えて笑い出した。
「いきなり何を言い出すのかと思えば、そんなくだらないことだったなんて、…そんなことさっきからそこでだんまりを決め込んでいる、お宅の帽子が答えてくれるわよ。」
つっと指差された先にはふるぼけた帽子がある。
クラリスに名指しされた所為か、閉じていた瞼を億劫そうにあげた帽子。
「なんじゃ、せっかく心地いい気持ちで寝ていたというのに。」
「教えてあげなさいよ、あの子がここに来た時のことを。」
挑発するようなそのセリフに、帽子は深いため息をついた後、淡々とした口調で続けた。
「わしがあの子の心を覗いたとき、あの子の中にあるのはたった一つの願望だった。
それは何も起こらないようにと…
そればかり願っていた、だからわしは言った。
何も起きない人生などつまらなくはないのかね、と。
だがあの子は何も聞いていなかった。
寂しそうな表情もしなければ、烈火のごとく怒ることもなくな。
だからわしはあの子の行方末が気になってグリフィンドールに入れた。
だがあの少女がなぜそう願ったのか、今ならわかる。」
と語るのをやめた帽子に、そうとクラリスは満足そうに笑った。
「ということですわよアルバス、
これで納得していただけたかしら？」
「そうか、」
と端的に答えたアルバスにクラリスは満足そうにうなずいた。
「初めからそう素直に認めればいいのですよ、アルバス。
私はこれで失礼します。
今のあの子にはここは不適切ですから。」
「どうやって、あの子を説得するつもりかね。」
くるりと背を向け今にも出ていきそうな彼女に、ダンブルドアは最後の訴えともいわんばかりに食らいついた。
まだ引き下がろうとしないその姿勢にクラリスは呆れを通り越して、感心した。
「そんなもの要らないわ、
だってあの子は「貴女の孫、ですよね。」
と
「お早うA、お前ならきっと来てくれると思いましたよ。」
「おはようございます、お婆様。」
淡々とした口調のAに、ダンブルドアは驚くことしか出来なかった。
旅装の彼女はそんな老人を、淡いブルーの瞳で自分を見つめてくる。
「行きましょうか、お婆様。」
覚悟を持ったその瞳はもう揺れていない。
年相応とは言い難いその様に、ダンブルドアは湧き上がってくる不安を拭い取ることができなかった。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
