97 アズカバン ページ4
「いやクラリス様から事情は聞いているので、大丈夫だ。
それよりも愚息が心配を掛けた。
それでこういってはアレだが、どうしてドラコが倒れたのか、何か心当たりはあるかね。」
口調は丁寧だがどことなく相手を探るその姿勢に、血は争えない者だとAは小さく溜め息を吐いた。
「いいえ、それが全く。
ドラコ様がお席を立たれた間に倒れたと聞いたので、わたくしも詳しい事は知らないのです。
お力になれなくて申し訳ありません。」
スッと優雅に頭を垂れたAに、ドラコは怪訝そうに眉をひそめた。
嘘だ、そうドラコの直感が確信していたが、何せ証拠が無い。
実際案の言う通り自分とAは一緒にパーティーの席から外れていたのだし、恐らく彼女一人が事情を知っている筈なのだ。
「(どうして、僕はいつものけ者にされるんだ、)」
詰って怒鳴ってやりたかったが、両親の目がある以上それは出来ない。
下げていた筈の頭を上げた彼女は、再度手を叩いた。
すると再び現れたのは例の見慣れないしもべ妖精。
主とその客人にゆっくりと頭を垂れた後、なんでございましょうか、と小さく口を開いた。
「マルフォイ家の皆様を御自宅まで。
今宵はドラコ様もお疲れでしょう、訳はわたくしの方から話しておきますので。」
どうか御引き取りを、言葉にこそならなかったが、最後に付け足す様なにっこりとした綺麗な微笑みに、二人はたじろいだ。
「…行きましょう、父上母上、折角のAの申し出ですから。」
息子の静かな口調に二人はどきりとさせられたが、その真剣な表情に顔を見合わせた。
そそくさと帰り支度をするその様子を眺めていたAの元に、静かにしもべ妖精が現れた。
「お嬢様、クラリス様から伝言を頂いて参りました。」
「見せて頂戴。」
受け取った紙には達筆な字で、ごくごく短い分が綴られていた。
【シリウス・ブラックの一件はもう耳に入っているでしょう、早急に邸に戻るように。
追伸、お前の両親は相変わらず元気そうですよ。】
どうでもいい最後の一言を無視したAは、ドラコの両親が現れる寸前で奪取した新聞をちらりと一瞥した。
頬が痩せこけ、ぼおぼおになった髪、眦の鋭さからはどことなく理知的な者を想像させるがどちらにしても、見るからに浮浪者の様な形になっていた。
「(こんな男が街をうろつけばどうなるか…
さあ、どう出るのかしらね、シリウス・ブラックは…)」
ぐしゃりと握りつぶした瞬間、新聞から悲痛な悲鳴が漏れた。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
