96 アズカバン ページ3
「…シリウス・ブラック。」
「ええ、数時間前に脱獄したみたい。
今は何所で何をしているやら。」
サラッと流したがドラコは盛大に首を傾げた。
「…だって奴が居るのはアズカバンじゃないか。」
「さあ何か抜け穴でもあったんじゃないの？
それよりも、彼について何か知らないかしら、貴方を家に帰すと追求できなくなるから。」
「…あのなあ。」
「いいから早く。」
ズイッと詰め寄ったAの手にはいつの間にかペンとメモが＿＿＿カメラを構えていない事だけが唯一違うが、並の食いつき方ではない。
「(看病してくれていたのかと思えばすぐこれだ。)」
ドラコはなんだか色んな意味で悲しくなったが、特に何もないぞと言って口を開いた。
「シリウス・ブラックについては母上もあまり話したがらない。
何でも僕のおばさんに当たる人がその男と仲が良かったんだが、そのおばさんもマグルの男と結婚した所為でブラック家から外された。
確か僕の母上とその男は従兄弟で、タペストリーを見れば分かる筈…」
「タペストリーがあるのね。」
「ああでも君は招待できないぞ。」
「知ってるわよ、一族以外の者は見てはいけないんでしょう？」
「まあ君が僕と一緒になれば話しは別だけどな。」
とサラッと告げられた言葉にAはハッと顔を上げた。
「どうする？」
とまるでデートにでも誘う様なノリにAのペンは一瞬止まるが、その後困ったように笑った。
「考えておくわ。」
パタンとメモを閉まった彼女が立ち上がるのと、扉が蹴破られるように開いたのはその時だった。
「ドラコ！」
髪を振り乱して現れたのはドラコの母、ナルシッサ・マルフォイだ。
後から続いて現れたそのルシウス・マルフォイもまた落ち着かない様子で、部屋に入ってくる。
まるで計ったかの様なタイミングの良さに吃驚している間に、ドラコは母親の腕に収まっていた。
「急に倒れたと聞いたけれど、大丈夫なの？！」
「え、ええ母上僕は大丈夫です。」
本当はどうして倒れていたのかすら理由を聞いていないが、此処は敢えて話しをそらすしか無い。
母親が息子の様子を見ている間、父親は傍らに居た綺麗なAに声を掛けた。
「マロニエのお嬢さんですよね。」
「ええ、そうです、ルシウス様。
昨年は祖母がご迷惑を掛けました。」
スッと裾を持ち上げ、丁寧なお辞儀を返したAはゆっくりと顔を上げた。
ドラコと行動する事が多い所為か、ルシウスの顔立ちが彼そっくりだとAは思っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
