121 アズカバン ページ28
情熱家として知られていたAは、後に二十歳の年を迎えるとともにクラリスと名を改めた。
名を改める意味こそ知らなかったヘレナだが、その日を境にクラリスは徐々におかしくなっていったという。
愛くるしく笑っていた表情もだんだんと固くなり、天真爛漫なその性格はだんだんと塞ぎ込み、人目をひく美貌も半年も経たないうちに老婆と化してしまった。
年若く、将来を期待されていた想い他人の変わり果てた姿を前にサラザールは、いつの間にか消えていた。
だが友人であったヘレナだけは、クラリスを姉のように慕っていた。
しかしクラリスの憂えた表情が晴れることはなかった。
何をそんなに気に病んでるのかと聞いても何でもないのよ、と断ってしまうばかり。
ヘレナからすれば何としてでもクラリスの重荷を減らしたかった。
だが、話はそんなにうまくいかない。
「ヘレナ、貴女の気持ちは嬉しいけれど、貴女にこの気持ちは理解できないわ。」
そう、遂にヘレナの執拗な追及についにクラリスの方から逃げ出してしまった。
走り去っていく彼女の姿はまるで老婆のようだったとか、それからヘレナは後悔の渦に飲まれた。
「ごめんなさい、クラリス、お願いだから戻ってきて、クラリス！！」
草の根をかき分ける勢いで探しに探したヘレナ。
その徹底さは当時彼女に求婚していたあの血みどろ男爵ですら感服していたとか。
だがそれもまだ、彼女が年若い頃までの話。
死んでしまった後には、クラリスの行方知れず途方にくれて、数百年やっとクラリス、つまり偶然にも出会ってしまったAと再会を果たしたという。
「結局私にはクラリスの気持ちがわからなかった。
それどころか酷く彼女を傷つけてしまった。
彼女が生きていたらと思うと、いつも悔やむわ…」
と一人膝を折って嘆いているヘレナの傍で、Aは覚えのあるあの人のことを思い出していた。
プラチナが混じったようなアッシュブロンド、老いても尚変わることのない美貌、そして彼女代名詞とも言える淡いブルーの瞳。
だがヘレナのいうことが本当なら、今の彼女は数百歳、下手したら1000歳前後の長寿の持ち主だ。
「(また謎が増えたわ…)」
昔の思い出に浸ったきりどこかへ消えてしまったヘレナ。
一人残されたAが階段を降りて行こうとすると…
「っ、まだこんなところにいるなんて何やってるんだ！」
と現れたのは久しい彼、
わけもわからず手を引いてかけて降りて行くその背中にAは戸惑っていた。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
