116 アズカバン ページ23
「記憶操作って…へ、え？」
いつもならば淡々と受け止めるはずの言葉もつっかえた様に出てこない。
金魚の様に口をパクパクとさせている可愛い孫に老婆は、どこか愛おしそうに見つめながらもさも当然の様に話し始めた。
「まあ記憶操作といってもそんな大それたものではないわ。
ホグワーツ内に囲われた生きとし生けるもの全ての記憶が操れるだけ。
手当たり次第に魔法が効くわけではないわ。」
「それじゃあ、記憶をなくすことが出来たという事は、逆も…」
わずかに希望がひらけたAにはそう思えたが、途端老婆は怪訝そうな顔をした。
「記憶を戻す？
貴女それ正気なの？」
「…どういう意味です？」
「分からないの？記憶が元どおりになれば、貴女の日常はこれまで通りになるでしょうね。
でも貴女は自分の稀有な能力をすでに自覚しているのよ。
何がきっかけでこんなことをしでかしたかも見当がついて居ないのに、能力がばれたらどうするつもりなの？」
ぐっと老婆の正論にAはたじろいだ。
そもそも、老婆の話自体本当なのか証明されて居ないが、右も左も分からない現時点で、Aが頼れるものは他にない。
何より、まだ知らされていないことがもう一つあるからだ。
「、では記憶のこと関してはひとまず置いて…気絶して居た私をここに運んだのは誰なの？」
「…どうしてそんなことを聞くわけ？」
饒舌だった舌は急停止したかの様に止まった、が、射抜く様に睨みつけてくる淡いブルーの瞳は
、なぜかメラメラと輝いて見える。
その目を見ただけで確信を得たAはやはりと言いたげにため息をついた。
「先ほどダンブルドア先生が言ってましたよね、ようこそ、と。
普通ようこそなんて言葉を使うのは、初めて招待した人物で、加えて私のことを一切覚えて居ないと言う。
部外者同然の私をそうそう簡単に中に引き入れるかしら。
そして私は気絶する前に両親の元にいた。
両親の元から一変して安全地帯に近いこんなところに連れてくるなんて、お婆様以外にあり得ませんよね。
答えてください、
どうしてあそこに私たちがいることをわかっていたんです？
私の事情を知っていた上で、どうして両親から離す必要性が？
いまの私になんの利用価値があるというの？」
「…その質問に答えるには貴女まだ自分のことを知らなすぎるわ。
知りたければ自分で掴むことね。」
にやりと不敵に笑う老婆。
変わらない美貌の裏に隠されたそれに、Aの拳が震えることはもうなかった。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
