117 アズカバン 取引 ページ24
アルフレッド・スミスがかわいそうな後輩を見舞いに行ったその帰り。
談話室に潜り込もうかという直前に、ぐいっと急に影に引き込まれた。
「な、何する、、」
と振り返った直後に見えたのは育ち過ぎた蝙蝠のように、大きく黒マントを広げた寮監督だった。
「な、なんだスネイプ教授だったんですね、おどろかさないでくださいよ、
って言うかその後ろに隠れているのは誰です？」
と目ざとくもスネイプの背後にいる小さな影に目を止めた。
まさにそうだと言わんばかりに大きく頷いたスネイプは、その小さな影を無理やりアルフの前に差し出した。
「貴様の親戚らしいな、我輩は忙しい。
今後一切我輩に関わらないようにようく言って聞かせろ。」
と押し付けるだけ押しつけて勝手に消える有様。
は？と疑問符を飛ばしたアルフが慌ててスネイプを追いかけようとすると、くいっと引き寄せられたのは自身のローブ。
「なんなんだよ、俺は話があって「それはクラリス・スミスという人についてですか？」
とここでは絶対に口にしてはいけない人の名前に、アルフは固まった。
「…君、何者なわけ？」
と目深にかぶって居たフードを予告なしに剥ぎ取ったアルフ。
剥ぎ取られた拍子に現れたのは、黒いローブに見劣りしないレベルで烏色の髪を揺らした小柄な少女。
長い前髪の間から覗くのは真紅の瞳、
まるで人形のように作られたその美麗な顔立ちに、アルフは一瞬惚けたがやがて怪訝そうに眉をひそめた。
「君は誰だ、一族のものじゃないな。
なんでスミス家の汚点を知っている。」
淡々とした物言いの中には、警戒の色が現れては消える。
百点満点の対応にAは皮肉な笑みを浮かべながら、男の目を睨みつけた。
親友の彼にそっくりの翡翠の瞳には、すっかり様変わりした自分が写って居た。
「…」
いつだったか、屋敷しもべに変身させられた時も同じように、瞳越しに自分の姿を見つめて居た。
普通の人なら混乱する中、Aにはそういう普通の感触がない。
厄介な性格ね、と自分自身で自嘲的に笑った後、Aは本題を口にした。
「件の人のことをバラされたくなければ、私を匿って。」
「は？匿う？！」
「私は貴方の親戚の子供ということになっているわ。」
「…待って君どこかであったことある？」
流石に尋ねることは的確だ、男の緊張を瞬時に嗅ぎ取ったAは小さく笑った。
「さあ、どうでしょう。」
意味ありげに微笑んだ彼女に、アルフはまだ困惑して居た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
