106 アズカバン ページ13
「Aったら何もそこまで不安そうにしなくてもいいのに。」
「え、いやだって。
貴女の言ってることはおかしいわ。」
「へえどんな風に？」
「例えば明日の天気は何かしらって聞いて、今日の夕飯は美味しかったっていうレベルよ。」
「それは確かに変ね。」
「だから変だって…」
と訴えようとしたAの口元にハーマイオニーは静かに指先を寄せた。
ピンと背筋が伸びた人差し指をAの口元に当てて黙らせたハーマイオニーは、自信満々の表情で宣った。
「いいこと？
人の恐怖にはいろいろあると思うわ。
例えばその人の弱点、そうねロンとかは蜘蛛が苦手だから今日蜘蛛が現れたし、他のみんなだってそうだったわ。
ネビルなんて、あのスネイプ教授よ。
それはきっと叱られるのが怖いからね、私もあの先生の無視っぷりにはいつも頭にきていたのよ。」
「あ、あの…ハーマイオニー？」
だんだん話の趣旨がそれているような、そう指摘した途端、ハーマイオニーの指先は真っ直ぐにAを指差した。
「でも貴女は違う、根本的に苦手なものが人とかけ離れているのよ。
そう例えばあのマルフォイと話が出来なくなったらとか、ね。
私からすれば話さないで済むなら一生そうしていたいけど、貴女の場合はきっと違うのね。
あらそんなびっくりした顔しなくてもいいわ。
いいこと、私の両親は歯医者だからいろいろ聞いてるんだけど〜」
とうんたらかんたらと自身の両親の自慢に入るハーマイオニーだが、Aはその長い演説を右から左に流していた。
それもそのはず、ハーマイオニーに言われたことが彼女の中で引っかかったからだ。
「(私が彼を好きかどうかはさておいて…ドラコと話せなくなることを恐れてるですって…違うわ、私は彼を裏切ることが怖いのであって、別に…)」
と思いかけたところでAは、ズキンと胸の内が痛むのを感じた。
もしも何かのきっかけでドラコに裏切られたら、＿＿＿＿胸の内によぎった漠然とした不安にAは顔をしかめた。
「(…なんて滑稽なのかしら。)」
ついこの間だって裏切られる覚悟はできていると宣ったばかりだ、なのに今は呼吸すら苦しくなっている。
Aの険しい表情で大体のことを察したのだろう、不意に黙ったハーマイオニーはその華奢な腕で、Aを抱きしめた。
「A、そんなに怖い顔しないで。
大丈夫きっと大丈夫よ。」
何を根拠にそう言えるのか、Aはひねくれたことを考えつつも、ありがとうと小声でお礼を言っていた。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
