192 秘宝 再会 ページ17
[おい起きろっ!!]
「、、ん、マグス?」
声で相手を判別したAは、ぼんやりとした目つきでマグスをみつめていた。
ドラコはホッと息をついた。
「マグス、貴方、怪我は?」
[ねえよんなもん。
それよりも安心しきった所をあっさり攫われやがって、ここに来るのに随分苦労したんだぜ。]
久方ぶりの使い魔との再会にAは喜んだ。
「マグス、ごめんなさい。」
[全くだな、てめえの使い魔やるには命が幾つ会っても足りないぜ。]
「ありがとう、」
マグスを掌の中にそっと納めたAは、自分を見下ろしている同胞に視線を向けた。
「何がどうなっているのか聞いても?」
「ああいいけど、その前に来客を相手にしないとな。」
アレンがにやりと笑った瞬間、
扉を誰かが蹴破ってきた、見ればあのカロー兄妹だった。
「なっ、クラシスのガキがなんで!!」
「へー俺のこと知ってるんだ、
意外、トロール並みに脳みそとろいくせに。」
「なっ!!」
相手を挑発する文句と一緒に突進してきた二人をあっさり交わしたアレンは、あらよっという掛け声と共に、クルンとぶん投げて校長室の壁に叩きつけた。
「悪い。」
いうが早いか呆然としている二人を立たせて、校長室の外に出て、鍵に永久魔法をかけた上に、プロテゴと言ってどんな攻撃魔法も無効にする呪文をかけてしまった。
「アレン、今の、」
「んー僕がここに来てる理由、まだ分かんない?」
ニコッと笑ってみせるアレンに、Aはあの狸みたいな父親と重ねていた。
「(これって血筋なのね。)
わかったわ、ハリーたちが既に来ているのね、」
「正解、」
いうが早いかAの手をとって走り始めたアレンに続くドラコ。
「アレンは、いつハリーと?」
「君から守護霊の連絡を受けてから一旦別れたんだ。」
「何故?」
「君が追われている根本手な理由を探すためさ。
僕の親父は最初、君と僕を結婚させようとしていたからさ。
親父が君を追いかけるのは不自然だったんだ。」
Aとドラコは互いに顔を見合わせ、絶句した。
「…アレン。お願い結論から教えて、」
灰色の目がじいっとAはアレンを見つめ、アレンはやれやれと言いたげに答えた。
「僕と君はサラザールスリザリンの末裔なんだよ。」
「「えええっ、」」
「まあそういう反応になるよな。」
さらっと言ってのけるアレンに、Aは自分が本当に何も知らされていないんだと、改めて自覚せざるおえなかった。
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ゆう - こんなに引き込まれたのは初めてです。内容も構成も素晴らしい小説でした。主人公とドラコのむず痒いようで愛おしい関係に心が温まりました。本当に面白かったです。あなたの物語を読めたことに感激しています。素敵な話をありがとうございました。 (2020年11月20日 23時) (レス) id: ba6b4fdba7 (このIDを非表示/違反報告)
の - とても読み応えのある作品で、完結まで休みなしで読み終えてしまいました。物語が進んでいく中で、主人公とドラコの関係性が少しずつ変わり、謎も解明されていき、終始どきどきがとまりませんでした。私の拙い言葉では言い表せないくらい、本当にすてきな物語でした。 (2020年10月25日 4時) (レス) id: f5af52d735 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - ナナナさん» 深夜ですか?!ありがとうございます!そこまで言ってもらえるととても嬉しいです(^^)本当にありがとうございます。 (2018年12月5日 7時) (レス) id: 0af6fdad08 (このIDを非表示/違反報告)
ナナナ - 読み始めたら止まらんくて気付いたら夜中の3時まわってた!とても引き込まれました〜とても面白かったです (2018年12月5日 3時) (レス) id: f9de44e996 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - 水素ちゃんさん» こちらこそありがとうございます。始めて書いたハリポタ作品なだけあって、至らぬ点があったにではないかと何度も読み返したあの頃が懐かしいです^ - ^そんな経緯もあってか、真摯なご感想に感激しました。こちらこそ貴方様の様に素敵な読者様に出会えて光栄です。 (2018年6月16日 18時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アサノ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年9月21日 23時