190 秘宝 ページ15
「クラシスは、俺の、クラシスは、いるか＿＿＿、」
死人が土の中から出て来た様なくぐもった声に、ドッとAに冷や汗が伝い、ドラコが腕を握りしめる力が強くなった。
スネイプは一向に表情を乱す事なく報告した。
「はい、ドラコ・マルフォイが連れて参りました。」
「ほお、そうか、褒めてつかわそう…ドラコ、」
「ちが「ダメよ、」
小声で叱りドラコの口を封じたA。
嗄れた声が皮肉を交えて笑っているのをAは分かっていたし、
ドラコもAに諌められて冷静になったのか、必死に堪えて反論しようとはしない。
「で、この娘、いかがいたしますか？」
「ふん決まっているだろう、
俺の所に連れて来い、
俺を裏切った罪は重い、
マレリーヌ。」
低い声が故人に呼びかける。
ドラコは答えるなと言わんばかりに首を横に振るが、Aは生憎とこの程度で臆病になるほど、可愛い女ではない。
「何かしら、リドル。」
「ふんっリドルか、久しい名だがお前にその名前で呼ばれたくはない。
血を裏切った挙げ句、俺様との誓いを破り、幸せの絶頂で死んだお前に、俺様の痛みなど分かるか。
しかし、もうそれはどうでもいい…
お前は死から甦った、マレリーヌ。
俺様と共に来い。
永々の命が手に入るのだ、マレリーヌ。」
壊れたおもちゃの様にマレリーヌと唱える杖に、ドラコは何を思ったか破壊呪文を唱えた。
ぱっと白樺の木が飛び散り、木っ端微塵になりその影は跡形もなくなくなった。
「ドラコッ！」
「うるさいっ君が答えなければ、こんな事には
第一マレリーヌは君の名前か？！」
「違うわよっ、アレはおばあさまの名前で、「ならなんで君が答えるんだっ」
Aとドラコが口論しようとし始めた瞬間、杖が元に戻った。
「なっ、」
「ダメなのよ。
あの杖には魔法が掛けられているから、ちょっとやそっとの事じゃ、壊れる事はないの、」
「っ、」
杖が完全にもとに戻った時、
向こうの嗄れた声はどす黒くなっていた。
「マレリーヌ、どういうことだ、ドラコを抱き込んだのか？」
「ちが「だったらどうするの？
貴方だって嫌々のドラコを巻き込んだくせに。」
挑発するようにAは言ってのけドラコを庇う、途端、向こうの嗄れた声が止まった。
「第一私はマレリーヌじゃないわ、＿＿」
Aの言葉が続かないうちにパアンッと杖が破壊され、中から黒い靄が浮かび上がった。
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ゆう - こんなに引き込まれたのは初めてです。内容も構成も素晴らしい小説でした。主人公とドラコのむず痒いようで愛おしい関係に心が温まりました。本当に面白かったです。あなたの物語を読めたことに感激しています。素敵な話をありがとうございました。 (2020年11月20日 23時) (
レス) id: ba6b4fdba7 (このIDを非表示/違反報告)
の - とても読み応えのある作品で、完結まで休みなしで読み終えてしまいました。物語が進んでいく中で、主人公とドラコの関係性が少しずつ変わり、謎も解明されていき、終始どきどきがとまりませんでした。私の拙い言葉では言い表せないくらい、本当にすてきな物語でした。 (2020年10月25日 4時) (レス) id: f5af52d735 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - ナナナさん» 深夜ですか？！ありがとうございます！そこまで言ってもらえるととても嬉しいです(^^)本当にありがとうございます。 (2018年12月5日 7時) (レス) id: 0af6fdad08 (このIDを非表示/違反報告)
ナナナ - 読み始めたら止まらんくて気付いたら夜中の3時まわってた！とても引き込まれました〜とても面白かったです (2018年12月5日 3時) (レス) id: f9de44e996 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - 水素ちゃんさん» こちらこそありがとうございます。始めて書いたハリポタ作品なだけあって、至らぬ点があったにではないかと何度も読み返したあの頃が懐かしいです^ - ^そんな経緯もあってか、真摯なご感想に感激しました。こちらこそ貴方様の様に素敵な読者様に出会えて光栄です。 (2018年6月16日 18時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月21日 23時
