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へ 悪戯にはご用心 ページ7

さて朝食が終わり、残るは片付け。
パタパタと忙しく動くAは、いきなり腕を掴まれた。

「…何、神永。」


地獄の底から這い出た様な低い声に、逆にビビる神永。
朝の野暮な一件は忘れていなかったらしい。
結構根に持つタイプだよな、と内心ため息を吐いた神永は要件をさっさという。


「結城中佐がさっき呼んでたぜ。」
「さっき、ていつ…」
「さあな、結城中佐だし。」

結城中佐、その単語にさああっと顔を真っ青にしたAは、色々飛び出しそうな声をどうにか抑えて、

「馬鹿っ、なんでもっと早く言わないんですか?!」


と一言怒鳴りつけ、掴まれた手を振りほどいた。
皿洗いを済まし、割烹着を脱ぎ捨て慌ただしく出て行こうとした時、

「福本、後お願いしますね。」

と一言相方の福本に告げてからバタンッと乱暴に扉を閉めて出て行った。



しんと静まり返った食堂、そこにふっと鼻で笑った様な音がする。





「…で、本当はいつ呼び出されたんです?」
「三好…なんだ気づいてたのか。」
「当然です。
あんな分かりやすい誘導、気がつかない方がおかしい。」
「それはAを馬鹿にしてるのか?」

横目でチラッと三好に反抗したのは波多野、同僚を馬鹿にするのはどうも抵抗がある。
そう言いたげに炒め物にぱくついた。

「いいえ、馬鹿にしてはいません。
実際Aが呼び出されたのは本当でしょうし。
どうせ朝食の後にと言われたんでしょう。

それに自分の仕事はきっちりやる。」

チラッとAが片付けた食器に目をやってから、咎めるように神永を見た。

「形ばかりの見栄ではいつか食われますよ、"彼女"に。」

意味ありげにふふんと笑った三好に、あっそと不機嫌そうに返した神永は、八つ当たり半分で焼き魚を頭から頬張った。

と 魔王の"命令"→←ほ 野暮は厳禁



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アサノ(プロフ) - masyさん» 返事が遅れてすみません。そんな風に言ってた抱けるだけでとっても嬉しいです。masy様と趣味が合うなんてこちらこそ光栄です笑 (2017年12月27日 1時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
masy - ハリーポッターのも読んでます!もうアサノさんの小説が好きすぎて……(笑)とても面白かったです! (2017年12月24日 20時) (レス) id: 065dd9adad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アサノ | 作成日時:2017年7月9日 14時

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