柱の少女は、狙われ体質。弐

仇拾参 ページ46

『だから…少し寂しくなるなって、思っただけですよ！仲間がいなくなると、流石にちょっと堪えたんです！』





私の言葉に、天元さんは一瞬驚き、鼻で笑った。鼻で笑った…ムカつくな。

勢いで本音をぶちまけるんじゃなかった。失敗だ。






宇髄「へぇ、俺が柱を引退したからAは寂しいのかー。」


『わ、悪いですか！？』





からかわれて腹が立ったので、二人の間にあるきな粉餅を三つ一気に口に放り込んだ。




天元さんは私ときな粉餅をじーっと見ている。顔にきな粉でもついているのかと思い、口元を拭った時……






宇髄「いっそ、俺の4人目のよめになるか？」


天元さんはケロッとした顔で平然とそんなことを言ってのけた。





さすがにこの爆弾発言には驚きを隠せず、きな粉を吹き出してしまった。



宇髄「おいおい、汚ぇぞ。女が食べ物を口から吹き出すところは初めて見たぜ。」








『天元さんのせいです！私だって、きな粉餅食べてる女にプロポーズまがいのことする男は初めて見ましたっ！

誰彼構わずそんなことばっかり言ってたら奥さん達に怒られますよ？全く女たらしですね！』




天元「誰にでも言うわけじゃねぇよ。Aだから言ったんだ。」






…………。

え、本気ってこと？




派手で結構横暴な性格してるくせに、整った顔で急に真面目に言われたら、ちょっと男前だなぁ、なんて思ってしまった。


蜜璃ちゃんに教わった言葉で言うと、私は「ギャップ萌え」によって「キュン」としたのだと思う。




だけど、こんな時に思い出すのはなんでアイツなんだろう……。








『……せっかくですが、お断りします。言っとくけど、私17ですよ？婚期には焦ってないので。』



天元「へー、そうか。お前、好きな奴でもいるのかよ…………あぁ、不死川か!!なるほどな!!」







なっ、なんでそうなるの！？

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