仇拾弐 ページ45
休憩時間、私と天元さんは屋敷の縁側に座って世間話(?)をした。
『任務の時、炭治郎達三人と一緒だったって聞きましたけど、実際どうでした?』
あの三人を女装させたと聞き、私は爆笑した。天元さんは、不細工な奴らだったぜと苦笑いだ。
宇髄「俺は認めてやってもいいと思ってる。なかなか芯のある奴らだった。俺が生きてるのも、鬼の娘の血鬼術のおかげでもあるからな。」
あの時禰豆子ちゃん殺してたら、天元さん今頃死んでるってことじゃん?って言うことは……
『ほうほう、あの子達を信じた私の目は正しかったというわけですな?』
私は少し上から目線な口調でニヤニヤしながら天元さんの顔を覗き込む。
すると天元さんは私の頭をぽんと撫でて遠くを見た。
「まぁな。俺は引退しちまったが、若手は確実に育っているってことだ。」
素直だ……今日はやけに天元さんが素直だ。
真面目な話、若手が育ってることは私もよく分かっている。だけど……。
鬼殺隊である以上、復帰不可能の怪我も、命を落とすことだってある。
でもそういうのを見る度、己の無力さに打ちのめされるんだ。
私の頭に置かれたままの天元さんの手を握った。
『私が居ない間にそんな大変なことがあったなんて、全然知らなくて……。天元さんが死ななくてよかったと思ったけど、でも、やっぱり……』
私は彼のもう無い左腕を見た。何も出来なかった自分が悔しい。
天元「あぁ……お前達残りの柱に頼りきってる状態なのは分かってる。悪かった。」
素直に謝る天元さんを見て、ぎょっとした(失礼)。
地味に謝られると、逆に怖い。
『別に責めてるわけじゃないです!そうじゃなくて……というか、派手柱のくせに地味に素直に謝らないでください!調子が狂います!』
宇髄「じゃあ、お前は何が言いたかったんだよ!?」
地味って言ったから怒らせたかも。
『私だって半年間も柱の席を空けてたし、人にあれこれ言える立場じゃないことくらい分かってますよ。私じゃ力不足で迷惑かけてた自覚もあります。』
真剣に考えてくれたのをからかったので、若干の罪悪感はあった。
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渚月華 - 面白いです! (2020年5月2日 11時) (レス) id: bd22a3d64d (このIDを非表示/違反報告)
氷壊寺礼(プロフ) - 何…?!「既に投票済みです」だとぉ… (2020年4月11日 21時) (レス) id: ecbea78122 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりなんぽん - どうもです。ココさんの言う通り「舞」ではなく「雛」です。更新お忙しいと思います。誤字脱字は他の読者様が気になる方がいらっしゃると思いますので一応指摘してきます。すいません。 (2020年4月11日 19時) (レス) id: 3ac698d03c (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - とても面白いです!宇随さんのお嫁さんの名前は雛鶴さんだと思います! (2020年4月9日 19時) (レス) id: f80ae667a5 (このIDを非表示/違反報告)
ろんちゃん - 面白です!これからも更新頑張ってください! (2020年4月9日 18時) (レス) id: fc640f7e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なるは。 | 作成日時:2020年2月22日 22時