柱の少女は、狙われ体質。弐

仇拾壱【元音柱の稽古】 ページ44

禰豆子が太陽を克服して以来、鬼の出没がピタリと止んだ。

その間も警戒は怠らないが、鬼殺隊全体で合同強化訓練を行うことになった。

階級が柱以下の者は、順に柱に稽古をつけてもらい、双方の体力や技能の向上を図る。

その名も“柱稽古”。







元音柱によるしごき(基礎体力向上)

霞柱による高速移動の稽古

恋柱による地獄の柔軟

蛇柱による太刀筋強制

宙柱による反射神経向上の訓練

風柱による無限打ち込み稽古

岩柱による筋肉強化訓練





という具合に隊士達は柱の屋敷を順に回って行くのだ。

私、蒼天Aの出番はまだ先だ。暇を持て余した私は元音柱邸に来ている。







元音柱の試練の様子を木の上から観ていた。高みの見物と言うやつだ。



『皆頑張れ〜』


隊士「な、なんで宙柱まで居るんだ？」

隊士「知らねぇよ、てか俺らもう10日くらいここに居るのにまだ次に行かせてもらえねぇのかよ！ここでバテ死ぬのかなぁ俺ら……」


宇髄「遅い遅い遅い!!何やってんのお前ら！なんで走るっていう単純なこともできねぇの!?無駄口叩いて休む暇あったらもう一本走ってこいよ!!」


隊士「ひぇぇぇ」



『おぉー、さっすが祭りの神、元派手柱ですね。そんなに派手に怒鳴っちゃって……そのうち血管ぶちきれますよ』


天元「なんかお前に言われると腹が立つ！」





そんな私達のやり取りを見て、隊士達への差し入れを持ってきた雛鶴さんがふふっ、と口元を抑えて笑った。

あー、女子力ってこういうことかな。

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