秀太さんの件 ページ12
「お久しぶりです、秀太さん!」
僕は立ち上がってAのお父さん…秀太さんにお辞儀する。
僕からしたらお義父さんだ。
「えっ店長のお父さん!?こんにちは!」
凪くんも慌てて頭をさげる。
「はっはっ!二人共顔をあげたまえ。ただのオッサンに頭なんてさげるんじゃないよ?男が頭をさげていい相手は上司と嫁さんの両親だけだ!」
そう言って笑うと僕と凪くんの頭をクシャクシャ撫でる。
「お父さん、なににする?」
そんな事は知らない、と言うようにAがメニューをもってきた。
相変わらず自由だなぁ。
「ブラックで!」
「りょーかーい。凪音くん〜手伝ってくれる?」
「あっ!はい!店長!では僕は失礼します!お二人共、ごゆっくり!」
Aのあとを慌てて追う凪くん。…犬みたいだ。
「えっと、秀太さん、どうしたんですか?」
僕が座っていたところの前に腰掛ける秀太さん。それを見て、僕も座る。
「Aから聞いたんだ。職を探しているってね。でも見つからないと…」
ぐはっ
「は…はぃ…お恥ずかしながら…」
「ふふ、だからね、私からひとつ提案があるんだ」
そう言ってにやりと笑う秀太さん。
「て、提案…ですか?」
まさか、職が見つかるまでAと式をあげる事は許さない、とか…?
うわ、そうなったらどうしよう…!
秀太さんが口を開こうとし、僕はごくりと唾を飲み込む。
「うちの会社で働かないかい?」
「ほぁ?」
予想していたのと違う言葉が出てきて、マヌケな声が出てしまった。
「実はこの前、部署移動があったんだ。私が移動したところは宣伝部。うちの会社は出来てまもないからなにせ人が少なくてね…。宣伝部も私含め4人。人手は多い方が嬉しい。…どうだい?」
「い、いん…ですか…?」
「あぁ!大歓迎さ!」
舞い込んできた就職のチャンス。これで、Aに迷惑をかけなくてすむ…?
なら、答えは決まっている。
「お、おねがいします!!僕を、雇ってください!」
「よし!私から社長に話は通しておくよ。3日後、9時に迎えにいく。スーツでね?」
「はいっ!」
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華飛@チョロたゃ尊い(プロフ) - 鈴佳さん» コメントありがとうございますー!!うわぁ!そうです!ごめんなさい!ありがとうございます! (2016年7月27日 10時) (レス) id: 9e2f5dbb6a (このIDを非表示/違反報告)
鈴佳 - ごめんなさい「しんぷ」って漢字「新婦」じゃなくて、「神父」だと思います。間違ってたらすいません。 (2016年7月27日 8時) (レス) id: d7f9984a8e (このIDを非表示/違反報告)
這いよるマグロ華飛(プロフ) - プリン少女さん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえると頑張れます…!更新速度落ちてますが これからもよろしくお願い致します… (2016年6月21日 18時) (レス) id: 9e2f5dbb6a (このIDを非表示/違反報告)
プリン少女 - 更新頑張ってください!続き早く読みたいです! (2016年6月21日 17時) (レス) id: 5ea25d1185 (このIDを非表示/違反報告)
這いよるマグロ華飛(プロフ) - チョロたんさん» コメントありがとうございます!チョロちゃん可愛いですよね…!ですからそう言って貰えると嬉しいです(*´-`*)ありがとうございます! (2016年5月26日 19時) (レス) id: 9e2f5dbb6a (このIDを非表示/違反報告)
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