【d!】BLたんぺんしゅ〜 vol.2【日常組】

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Aside

『俺優しく抱いてくれるシャオくんは好きだけど、お仕事邪魔するシャオくんは嫌ぁい』
俺がそう言うとシャオくんは顔を赤くして俺の腰を抱く腕に力を込めた。

「今日の夜空いてる？」
なんて言って顔を近付けくるからその顔を退ける。

『これ以上邪魔したらロボロさんの部屋行くもんね〜』
べーと舌を出すとロボロさんまでも顔を赤くする。

こうして俺はシャオくんを静かにさせるのに成功し、食堂から出て行ってもらった。
あと少しで今月の経費の会計は終わる。

最後の項目は各幹部兵士団の経費計算だ。
ただでさえ幹部は15人もいるのに、と俺は頭を抱える。

とりあえず、とトントンさんの兵士団から計算を始めた。
トントンさんは無駄な出費は無いし領収書の提出もちゃんとしてくれる為ありがたい。
カフェラテを口に含んだ時。

「Aくんお疲れ」
ぽん、と肩を叩かれる。

『ひとらんさん…！』
昨日まで外交で外に出ていた為久し振りに彼の顔を見た。

「俺もおるで〜」
彼の影からオスマンさんが顔を出す。

2人と久し振りに話せたのが素直に嬉しくて声が上擦った。
すると突然オスマンさんに抱きつかれ、ひとらんさんに頭を撫でられる。

「あ〜もうほんま可愛い〜」
オスマンさんの息が耳に掛かって擽ったい。

「Aくんの顔見ると疲れが取れるよ」
ひとらんさんの大きな手が温かい。

暫く彼らの体温を楽しんだ後、オスマンさんから小さな細長い箱が差し出された。
封を開け、中身を見ると。

『万年筆…？』
軸が木製のおしゃれな万年筆がそこに入っていた。

「それ俺達からのお土産」
「仕事邪魔してごめんな、頑張って〜」

2人が手を振って去っていく。
万年筆を握り締めて俺は仕事に励んだ。


『ん〜なんでこの人達煙草を経費で落とそうとするのか……』
煙草の領収書だけはちゃんと提出する彼らの項で止まってしまった仕事に頭を抱えていると。

「あ〜腹減ったなぁ」
そう声を上げながら煙草その1ことシッマさんが食堂に入ってくる。

絡まれないように気配を消しているとシッマさんは気付かないまま厨房の方へ入って行った。
助かったと一息吐いた時。

「何してんのAくん」
後ろから煙草2こと大先生が抱き着いてくる。

煙草の匂いが鼻を掠めた。
彼に振り返ろうとすると

「……ん？オスマンの匂いがする」
耳元で低く囁かれた。

彼らしくない低音に俺は背筋を震わせる。
恐る恐る振り返るとそれはそれは怖い顔だった。


ﾂﾂﾞｸﾖ

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