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第壱章 白ウサギの行方__目覚め ページ4

目が覚めると、そこは教室だった。
夕日が差し込んでいる。


う…ん…あれ、ここは、教室…?


僕…自分の机に突っ伏して寝ちゃってたんだ…。
うわ、体が変な感じ…、無理な体勢で寝たから…。


駄目だな、僕…、唯一の常識人なんだから…しっかりしないと。


…何か変な夢を見てた気がする。


もう、夕方だし…。

窓から外を見る。
西日が眩しい。太陽ってこんなに大きくて赤かったっけ…?

………………


まぁ、いっか。


それにしても、教室に誰もいない…。みんなもう下校しちゃったか。
別に待っててほしい訳じゃないけど、待たれてないのはそれはそれで寂しい。


…悲しくなる前に僕は机の上にあった通学鞄を手に取った。
一応中身を確認する…。

教科書にノート、辞書…。あ、筆記用具ない。

周りを見ると、クラスメイトの机の上に僕の筆記用具が置いてあった。え、何故。

とにかくしまっておこう。


「……?」


筆記用具をしまった瞬間、僕の目が黒板に引きつけられた。


日付 5月14日。…と書いてある隣に、大きく
“うさぎの穴をまっさかさま”
と書いてあるのだから、誰だって不思議に思うだろう。


…ていうか黒板の隣に“今月誕生日じゃない人”の名簿があるのおかしくない?
普通今月誕生日の人でしょ。

担任の先生ホント頭おかし…ゲフンゲフン、変わってるわー…。



…何はともあれ、もう放課後…だよな。終礼の後、家に帰らないで寝ちゃったのか、僕は。

それとも誰かと一緒に帰る約束をしていて、待ってたとか…?


…それは、ないか。


学校で、良くも悪くも僕たち六つ子は浮いていた。
特に、僕は。


おそ松兄さんはバカだけど明るくて皆の中心的存在だし。
カラ松はイタいけど優しくて演技も上手いから部活の中でも一目置かれていたし。
一松は暗いけど真面目だし優しいから親しい人物はいたし。
十四松は何考えてるかわかんないけど明るくて笑顔だからいつも周りに人がいたし。
トド松はあざといけど人の事をよくわかっているから皆に好かれていた。


皆、“六つ子”という強烈かつ異質な個性を上塗りするほどいいところがあった。


…それに対して僕は…。


………このままずっとこの教室にいても仕方ない…外に出よう。


扉を開ける。

「!?」

目の前にいた奇妙なウサギに、僕の心臓は勢いよく跳ねた。

第壱章 白ウサギの行方__奇妙なウサギ→←お伽噺



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如月慧音花(プロフ) - ひぇ、ありがたいお言葉…!ありがとうございます、頑張ります…! (2020年11月19日 15時) (レス) id: e44a9745ad (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - ずっと待ってますよ! (2020年11月12日 0時) (レス) id: 5aab78de35 (このIDを非表示/違反報告)
如月慧音花(プロフ) - 僥姫さん» 更新できてなくて本当に申し訳ないです。受験勉強がある上に今はこのお話を書くモチベーションが上がらなくて…。本当に申し訳ないとは思っているのですが、待っていただけると嬉しいです (2020年6月24日 17時) (レス) id: dbf5a4fb19 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - 続きは何処に? (2020年6月24日 12時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:如月慧音花 | 作成日時:2019年12月1日 17時

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