B級隊員は表向き[ワールドトリガー]

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煙がどんどんと引いていき見えたのは─

──三雲クンの首がスコーピオンで貫かれているところだった

伝達系切断でダウンってところかな



「……惜しかったわね」


「……いや─そうでもないよ」



盾の中の煙も消えていく

三雲クンの首を捉えていたはずの左腕は落ちていて、風間さんの肩から側胸部にかけて破損していた


つまり風間さんはトリオン漏出過多でダウンということになる



『模擬戦終了！』



すげー……、風間さん相手に引き分けって



「風間さんと引き分けるなんて……！」


「勝ってないけど大金星だな」


「いや、すごいねー…あの子」



反応はそれぞれで木虎ちゃんは驚き、きょーすけくんは結果に納得、私は感心

引き分けた本人はゆーまくんとハイタッチしている


さてと私は部屋に戻りますか！やることなくなったし


部屋まで戻っている途中であることに気づく

もしかして迅さんが言ってた期待の新人って3人いる？

1人がゆーまくんで、2人目がゆーまくんが言っていた狙撃手の子、そして3人目が爪痕を残した三雲クン

3人目は元々本部所属…って言っても派閥は未所属だと思うけど。最近玉狛に転属した(はず)三雲クンにもなにか光るものがあって新人呼びしたのだろう

ゆーまくんたち、チーム組むの決めてたみたいだし


迅さんは3人(チーム)まとめて新人と呼んでいたわけだ

なんとも紛らわしい


いつも通り廊下の角を曲がり、つきあたりまできたら特殊なロックを解除し、部屋の中へ入った

それと同時にトリオンを解除する



「っ？、ぁ」



ぐるり


視界が反転し、目の前は黒色に

心臓が痛いぐらいに波打ち、呼吸も自分の意思とは関係なく上がる


なにより、心臓の音がすごい

鼓膜に移動したんじゃないか。そう思うぐらいにうるさい


どくんどくりどくん

はあはあ

ぐるぐる


私の中の全ての音が耳に余りにも集中しすぎている

気持ち悪い、そう思った


けれどその時間も案外早く終わる

体全身の痛みが思い出したように湧き出てきて

視界も黒く、なにも見えなかったのがクリアになっていく

私は倒れたようだった


余韻が続いているのか、息が少ししにくかった

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