最終話 ページ35
貴女side
中原「………だからお前はひとでなしでも人の心がないわけでもねぇ…」
鷹尾「…………」
中原「大切なものを失うのが怖くないのかと云ったな」
鷹尾「……」
中原「俺はお前を失わねぇ。
俺がお前を失わねぇならお前ももう何も失わない。」
中也の低い声が体の奥まで響く
中原「A。
俺と…一緒になってくれないか」
鷹尾「………私なんかで…良いのか…」
中原「お前が良い。」
先程とは違う涙が視界をぼかす
鷹尾「…………中也…」
中原「おう。」
彼の背に腕を回し
鷹尾「…私も……中也が…好きだ」
中原「…あァ。」
穏やかな声色の返事に表情が緩む
中原「死んでも離れねぇぜ…」
鷹尾「…頼む…。」
大切なものを失うのが怖いといいながら
とっくに中也は私の大切な人だった…
だが今は恐怖はなく
底知れない安心感でいっぱいだ…
中原「…A。」
鷹尾「…ん…」
少し体が離れ優しい表情で見下ろす中也
そっと彼の長い指が私の目尻を拭った
中原「やっとお前の男になれた」
鷹尾「…なんだ、それ」
中原「どれだけ追っかけても突き放されてたからな」
鷹尾「………そういえば思い当たる節がある」
中原「だが、やっと追いついた。」
中也の両手が私の頬を覆い
コツンと額が合わさる
中原「お前はもう報復者なんかじゃねぇ…。
俺がお前の
「チェイサーだ」
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作者名:はまち x他1人 | 作成日時:2024年3月18日 2時