ナイトとツンデレ29 ページ30
〜とんで放課後〜
朝話された通り、(人1)はレオの手を取り撮影が行われる会社へと向かう。
…はずなのだが。
『おお!?あれはなんだ!あっちにも!
インスピレーションが…書きとめないと!』
レオが何かを見る事に走ったり座り込んだりと一向に進まないのである。
『こらレオ!1人で勝手に行かない!』
しびれを切らした(人1)はやっとレオの名前を呼ぶ。
するとレオは意外にも素直に(人1)の言う事を聞き、戻ってくる。
『うん、わかった。…あれ?おれ達どこに行こうとしてたんだっけ?
まって!言わないで、考えるから!』
『考える時間なんてあげないわよ!
私たちが行くのは撮影する会社、行くわよ』
そう言ってレオの手をたくましくグイグイと引っ張っていく(人1)の手を、レオは自分の方へと引き寄せる。
『あ、あなた何して…』
『ほら、こういうのは騎士のつとめだろ?
だから王様のおれがエスコートしてやる。わっははは☆』
笑顔で話すレオに呆れながらも微笑む(人1)。
困りながらも安心しきったような顔に穏やかな微笑をにじませて
『騎士か王様かどちらかにしなさいよ…。
でも、そういうの、嫌いじゃないわよ。』
と言う。
レオがきょとんとした表情をしたのでなにと聞いてみるとレオから意外な言葉が出た。
『おまえもそんな風に笑うんだなっ。
いいぞいいぞ、笑うやつは大好きだ!
おまえはもっと笑った方がいい。笑った方が可愛いから!』
(人1)は顔が赤くなるのが自分でもわかった。
顔が熱い。きっと耳まで赤いだろう。
(どうしてこの人はこうも恥ずかしいセリフをものともせず言えるのかしら…!
さすがはknightsの王様ねぇ。)
落ち着くために1度深呼吸をしてレオを見る。
相変わらずきょとんとした表情で(人1)を見ていたので言葉以上の意味はないのだろう。
『…はぁ。ほんとあなたってば…天然たらしね。
いったいどれだけの女が落ちたのかしらね。』
天然たらし…?と考えるレオの手を取り、ほら、行くわよと促すとレオに引っ張られるように目的地へと向かっていく。
(やっぱりこの人は言動とかちょっと痛いけど…楽しいじゃない。)
44人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:七海 美羅 | 作成日時:2015年11月4日 1時