ナイトとツンデレ (ページ20)

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ナイトとツンデレ19 ページ20

それから2人は教える事以外は特に会話もなくもくもくと作り始める。
そしてケーキのスポンジが焼きあがった所で(人1)が使った道具の片付けをしようと道具を洗っていると

『……ｯ！！』

ふらっとして、倒れると思った頃には遅くて衝撃に備えていると痛みはやって来なくて、それとは裏腹になにかに包まれているような感じがする。
見ると泉が(人1)が倒れないように抱きしめていた。

『もう限界でしょ。ちょっと来て。』

泉は怒っているような声で(人1)の手を引っ張って階段を上がっていく。
(人1)は確かに疲れや寝不足で限界に達していたため黙って引っ張られる。
そしてある部屋の前で止まり泉がおもむろにその部屋に入っていき、ベットの布団をめくりそこに(人1)を投げるように寝かせその上に布団をかぶせる。

『冷ます時間もいるからとりあえず寝て。
そんな顔で隣に立たれても嬉しくないし。』

『バカじゃないの…あなたに任せて寝れるわけないでしょ…。』

ああもうチョ〜ウザイといいながら起き上がる(人1)を阻止しようとする泉。
そして諦めたのか動きを止め、そして…

『ほんっとにうざぁい。黙って大人しく寝ればいいのにさぁ』

といいながら(人1)の横に入ってきてぎゅっと(人1)を抱きしめる。
さすがの(人1)も男の力に勝てず、動けない。

『いいから黙って寝なってば。
今日だけ隣にいてあげてもいいって思ってるし』

その言葉と温かさのせいか突如眠気が襲ってきた(人1)の瞼はどんどん重くなっていく。

『なま…いきなのよ…せなのくせ…に……』

すうすうと寝息が聞こえてくるまで時間はかからなかった。

『ったく、ほんっと強情なお姫様だよねぇ。
こんな強情でも俺は大事にするのに…くまくんじゃなくて、俺にすればいいのにさぁ。』

眠りについた(人1)の耳にはその言葉は届かない。
泉も届ける気はないのかもしれない。
そっとその額にキスを落として泉も眠りについた。