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トレローニー先生は落ち着いていた。
｢でも、"全てを悟れる者"である事を、ひけらかしたりはしないものですわ。＿ミネルバ、どうしてもとおっしゃるなら、申し上げますわ。アタクシの見るところ、ルーピン先生はお気の毒に、もう長いことはありません。あの方自身も先が短いとお気づきのようです。アタクシが水晶玉で占って差し上げると申しましたら、まるで逃げるようになさいましたもの＿｣
この話を聞いて、私は苛立った。せっかくのクリスマスの楽しい雰囲気を台無しにはするまいと、自分の中で渦巻く怒りや苛立ちを押さえつけようとした。
しかし、その行動が良くなかった。なぜって？
それは私の周りの食器は大きな音を立てて割れるし、天井の美しい夜空は嵐の天気となっていた。
ダンブルドア先生が直ぐに対処してくれたが、私は逃げるように大広間から走って出ていった。
談話室に入り、自室のベッドの中に潜り込んだ。
私の体は寒くないのに震えている。
よくよく考えてみると、さっきのは怒りと言うよりも恐怖と言った方が正しいのかもしれないと思った。
あの人が言っていた予言が、間違えているのは確かである。しかし、その時一瞬考えてしまった。＿私の大切な人が居なくなり、光のなくなった世界で私一人が取り残されている光景を。
"孤独"＿これが私の怖いもの。
もうこんな事考えたくない。＿そうだ、こういう時は甘いものを食べるといいと、幼い頃、新月の日にリーマスが教えてくれた。
リーマスに貰ったチョコレートの包みを開けて、口の中に入れた。チョコレートの上品な甘みが、身体全身に染み渡るような感覚。
地のどん底に陥れられた気持ちが少し楽になった。
｢…A、大丈夫？｣
この声はハーマイオニーだ。声のした方を見ると心配そうな顔をした彼女の姿があった。
『うん、大丈夫。心配掛けてごめんね』
ハーマイオニーは私のベッドに腰を下ろした。沈黙の中、ハーマイオニーはゆっくりと口を開いて私に尋ねた。
｢Aはルーピン先生のことが好きなの？｣
これはどういう好きなのか分からない質問だな…
返答によっては誤解を招いてしまうかもしれない。
生徒と教師の禁断の恋!?的な。恋愛系の本を1度も読んだことがないから分からないのだけれども
こうなったら質問返しだ！
『ハーマイオニーはどうして急にそんなことを＿？』
｢いいえ… ただ＿やっぱり大丈夫。気にしないで。｣
『そうなの？ならいいけど…』
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作者名：作者 | 作成日時：2022年3月14日 21時
