【参】感情ヲ捨テタ一人ノ柱ハ…【鬼滅の刃】

番外編【不死川実弥:俺の名前】 ページ47

リクエスト／陽愛 様

緊急柱合会議の後のお話です。
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-不死川実弥 視点-









「………実弥、」



月明かりが空を照らす夜、

ポツリと俺の名前を呟いた、A。


俺はそれに拍子抜けして、

神社の階段からずっこけてしまいそうになる



だが、すぐに体制を直して、

Aの方へと体を向ける








「っんだよ…、急にィ…！！」








そうAに向かって叫べば、

Aは不思議そうな顔をして、首を傾げた








「いや…、呼んでみたくなっただけだ…。すまん、不死川…」









Aはそう言って、俺から顔を逸らす

俺はそんなAに、

舌打ちをして前を向いた




非番の日の夜、

気まぐれに神社に行ったら、

偶然にもAと会った



そんで、成り行きで俺がAを送っていくことになって…








「(あ"ぁ…、クソっ…！)」






なんで俺は、送ってく、なんて言っちまったんだ…


話すことなんかねェし…

この空気のままコイツ送ってくのかよ…



というかッ…！！！








「(なんで俺はァ、ドキドキしてんだァ…！？！)」







Aに名前を呼ばれてから、

このうるさい心臓の音が鳴り止まない…


それと同時に、

Aが俺を名前で呼んだかと思えば、

すぐに元の呼び方に戻ちっまって、気に食わねェ…



そぅ思い、

ガシガシッ、と頭を搔いたあと、








「…………実弥 でいい…」


「……、？」


「…ッ、あ"ぁ…！だから実弥でいいって言ってんだよ…！！苗字呼びとかめんどくせェ！！！おらっ、呼んでみろ！！！」







そう思わず強要すれば、

Aは困ったような顔をし、






「……さね…、み」





小さな声で、そう呟いた









「…もっかいだ、」


「……っ、実弥、」


「もっかい…、」


「…さ、実弥…！っ何回言わせれば気が済むんだ…！！」








Aは少し怒ったようにそう言って、

スタスタと階段を下りて行く…。



そんなAの初めて見る様子に、

思わず、ふはっ、と笑ってしまう








「これからは名前呼びなァ」









俺よりも数段 下にいるAにそう言えば、

Aは、俺の方へと顔を向け、ゆっくりと頷いた




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