今宵、鮮血ニ染メテ。【鬼滅の刃】season 2

55 疑問 ページ9

実弥視点

その日を境にAは
風の呼吸と霞の呼吸が使えなくなった。

A曰く霊の呼吸の反動だとかいうがァ…
俺にはどうもわっかんねェな。

にしても彼奴、全く落ち込んでないが、
それはそれで心配になる。
もし強がりなら…
たよってくれたほうが嬉しいがなァ。

『師範、お手合わせ願います。』

「おゥよォ、先庭行っとけ。」

初任務も未だのA。
絶対死なない、死ねない程度に鍛えてやんねェと。

まぁ、今でも俺の７割程度の実力は有るがな。
下限の参位までなら余裕でいけるだろう。

「A、初任務ダ…明日、南南東へ向カエ…」

彼奴の鎹鴉…いや、鎹鷹か？
が、縁側から飛んできてAの腕へ停まった。

名前は令(レイ)、頭がいい。

「おゥ、初任務かァ…手合わせは中止だ、休め。」

えー、とでも言いたさげな顔で渋々頷いた。
んな顔すんなやァ、此方だってな、、

癖になってきた。

継子依存症、つーとこか。

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無惨視点

私は今、非常に機嫌が悪い。

上弦の弍…童磨。

ただでさえ私は彼奴が嫌いだというのに、
最近青い彼岸花探しまでサボるとは。

彼奴は心中が安定せず読みにくい。
だから手間暇かけ直接話を聞こうと思う。

「鳴女。」

そう呼べば、いつもの如く琵琶の音を響かせた。

「あ、無惨様！
　俺1人呼び出してどうしたんですか〜？」

屈託を知らない笑顔、
私にとって1、2を争うほど憎い。

「最近、なぜお前は青い彼岸花を探さない？
　お前への愛想は尽きた。
　説明しろ。」

「そう怒らないでください。
　俺悲しいですよ？」

説得力という単語を知らないのだろうか。

「何を笑っている、説明しろと言っているのだ。」

今確実に私の額には青筋が立っているであろう。

「実はですね、面白い娘を見つけまして。
　大した鍛錬もしてないのに猗窩座殿の
　攻撃を避けたんですよ？」

一々疑問系で文を終わらせるのを何とかして欲しい。

にしても、それは猗窩座の能力不足では無いのか…？

「鳴女。」

ベベンッ

猗窩座を呼んだ。

此奴は私に忠実だ。
誰かより頼りにはなる。

「お前の攻撃を避けた女がいると聞いたが…
　如何いうことだ？」

「…はっ。
　恐れながら詳しいことは分かりません。
　其奴を鬼にしようと考えております。」

かわす奴はそうそう居ない。
直ぐにピンときた、というところか。

…にしてもその娘、なかなか面白い。
一度話がしてみたいものだ。

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