約束の華〔 坂田銀時 〕 ページ2
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まだ霧深い、日の出前
「 Aはどこに行きんしたか？」
「 まーたあの悪餓鬼は 」
遊郭から聞こえる姐さん方の怒鳴り声
それを交わすかのようにいつもの抜け道から外へと走った
手には昨晩の客の残飯。
慌てて飛び出してきた素足で一直線に向かうのは橋の下の河原
「 今度こそ見つかったら殺されるかな 」
なんて緊張感のない調子で呟けば、いつもの特等席には見知らぬ1人の銀髪の侍
慌てて隠れ、遠目から様子を除き見れば、慣れた手付きで子猫を撫でるその侍
「 こいつの飼い主はお前かい 」
1度も顔をあげないそいつの全てを見透かしたかのような言葉に思わずﾋﾞｸりと体が跳ねた
「 なに突っ立ってんだよ 」
「 ...お前誰だ 」
「 ただの旅人 」
怠けているかのような朱色の瞳が私を見つめ、恐る恐る声を出せば面白そうに笑う侍
私を見つけ擦り寄ってきた子猫の為その場にしゃがみ込めば、軽い調子のそいつも隣に腰をかける
少しそっぽを向き、手にしていた残飯を猫の口へと運んだ
「 俺が教えたんだ てめーの素性を明かすのも礼儀ってもんだろ 」
無視を決め込み猫に夢中な私の頬を掴み、
自分と目線を合わせるよう仕向ける
「 おうおう 綺麗なツラが台無しだぜ ? 」
「 べらべらとうるさいな お前 」
蔑むかのような目で口を開けば、突然として街中に響く私を呼ぶ怒鳴り声
その声の主を悟れば一気に体勢を縮ませる
「 Aってお前のことか？ 」
「 いいから！お前も隠れろ！ 」
怒鳴り声の方へと視線を向けるそいつの胸ぐらを掴むが、小さな声で必死に訴える私を見ればなにやら楽しそうにするその男
「 いやぁ、知らない奴の言うことは聞くなって爺ちゃんの遺言でなぁ 」
「 どんな遺言だ!! 」
「 知らない奴だし？知らない奴を知らない奴に引き渡すってのもまた一興__ 」
「 私は新造!!あそこで叫んでる婆さんはうちの遣手!!遣手に見つかればこの猫は取り上げられちまう!! 」
.
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静けさを取り戻せば、川のせせらぎの音だけで
猫を撫でる私に向く無言の視線が心地悪く、口を開いた
「 ..新造は、遊女になる前の見習いのこと 」
「 お前もこの花街に来てるんだ。私が遊廓の人間だってくらい察しがつくだろ 」
「 いいのか？ 怒り狂ってたぞあの婆さん」
「 脱走の罪は重いんじゃなかったか 」
「 脱走じゃない」
「 ..いつものことだ」
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綾葉メグ(プロフ) - リクエスト聞いて頂きありがとうございます！！高杉ならきっとこういう風に夢主を密かに思ってそうです！ (2019年12月29日 17時) (
レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 次回がありましたら、神威君の激裏を、お願いします！ (2019年12月25日 11時) (レス) id: e5c89771f4 (このIDを非表示/違反報告)
ハーレクイン(プロフ) - うわぁぁぁ山崎ありがとうございます！！！！超絶ドストライクです！！！！！！好きです！！！！！ (2019年9月24日 23時) (レス) id: 6e522d86ed (このIDを非表示/違反報告)
山崎照葉【受験生】(プロフ) - あぁぁぁぁ、山崎最高です！！！ツイッターフォローさせていただきました！！ (2019年9月16日 23時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
はな - とてもおもしろいです！これからも頑張ってください！ (2019年9月2日 15時) (レス) id: 9b6d5a625d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：□白澤□ | 作成日時：2019年8月15日 14時
