九話 許可 ページ22
「ダメですよ。普通に考えて」
「どうしてだ？！友達の家に行ってみたいって思うのは当然だろう！？」
「立場を考えてください！だいたい、私とアルバート様が友達だっていったい誰が……」
「お前自身が言ったってエヴァンが言ってたぞ」
「ああ…………」
鍛錬場でのあの会話を思い出し、頭を抱える。確かに言ったが伝え方がまずかったようだ。お貴族様相手に『友達』って……。それでも、私の『友達』である彼はなんだか嬉しそうなのでまあいいかと思うことにした。
ちなみに、あの鍛錬場での出来事はグレンさんが上手くまとめてくれたらしい。あの後エヴァンくんは申し訳なさそうに私を訪ねてきた。彼は悪くないのに律儀な人だ。いろいろあったけど、今ではすれ違ったら挨拶したり、時々立ち話をしたりする仲である。
話を戻そう。そうして言い合いをしているうちに私ではどうにも対処できないため、グレンさんに相談しようということになった。
△▼△▼△▼
「いいですよ」
「「えっ」」
予想外の返答に私たちは真逆の調子で声を上げる。
「最近アルバート様も落ち着いているようですし、たまにはいいでしょう。ただし、自分含め護衛をつけさせてもらいますが」
「ちょ、ちょっと待ってください！」
「大丈夫だよソフィア。いつもやってる領地の"視察"だから」
「あなたの場合、いつもやっていることは許可を得てないので"脱走"でしょう」
……これは完全に私の帰省についてくる気だ。アルバート様だけじゃなくてグレンさんやら護衛やらも！？
「あ、あの目立つことは避けたいですし、視察というなら私が一緒じゃなくても……」
「大丈夫！変装するし、護衛は影からついてくるし！それに、ソフィアの実家も視察対象だから！一緒に行っても問題ない！」
「私の家を視察してどうするんですか……」
ダメだ。なんとか言い返そうとしても勢いで反撃されてしまう。絶対に視察が目的じゃないだろうに……
「まあ、せっかくの休みをお邪魔するのも悪いので一日目だけですけど。くれぐれも我々の正体をばらさないようにお願いしますね」
「悪いと思ってるならついてこなければいいじゃないですか……もう、いいですよ……ついてきていいですよ」
「やったー！明日はよろしくな、ソフィア！」
結局、諦めざるを得なくなり、私は渋々同行を許可したのだった。
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お芋(プロフ) - シャル＠如月唯奈さん» 読んでいただいて、ありがとうございます！お褒めに預かり光栄です！頑張ります。ありがとうございます！！ (2019年9月18日 19時) (
レス) id: 105c0e2da2 (このIDを非表示/違反報告)
シャル＠如月唯奈(プロフ) - イベント参加ありがとうございます！早速読ませていただきました！凄く分かりやすくて良い小説ですね！何より主人公かわいい(*≧з≦)これからも更新頑張ってください〜 (2019年9月18日 19時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お芋 | 作成日時：2019年9月6日 17時
