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「君に膝をつく日なんて永遠に来ない。君は神になんてなれない」

「よくこの状況でそんな無駄口が叩けるね」


散兵は舌打ちをし、苛立ちを隠さない。

君だって管に繋がれてるけど?とは面倒な事になりそうだったので言わなかった。


「お前達、少し喋り過ぎてはないか?私はそんな話を聞く為にこの空間を用意した訳ではないぞ」


博士は一歩ずつゆっくりと僕に近づき、僕の顎を掴んで値踏みをする様に見つめてくる。

今すぐにでもこの手を振り払いたい、でも拘束されていて動けない。

おまけに付けられた首輪は対元素用の物で、元素すらまともに扱えない。


「賢者達に聞いたが、貴様喧嘩を売ったな?」

「喧嘩?あれは宣戦布告を交ぜた忠告だ」


そう答えると博士は不気味に笑いながら、顎を掴んでいた手を身体に這わせた。


「お前の発言で賢者達が焦った様でな、とある計画が並行して行われる事になった」


嫌な予感がして身動ぎするも一歩遅く、博士は元素を纏った手を僕の心臓目掛けて伸ばした。


「神柱の力を神の力と融合させる実験だ」

「あぐっ、っ?!」


僕の心臓にある神柱の器官を奪われてしまえば、僕は死んでしまう。

嫌だ、と力を込めた瞬間、大きな衝撃音と共に博士の腕が弾け飛んだ。

博士の部品達が大きな音を立てて辺りに散らばっていった。

困惑と少しの違和感を抱えながら辺りを見回すと服に入っていた神子のお守りが光っていた。


「神子のお守り…?」

「くそ…あの女狐」


散兵は苦虫を噛み潰した様な顔をしていたが、博士は逆ににやにやと笑みを浮かべていた。


「神柱の核には触れられなかったが、お前のその姿を開放する事に成功した様だ」


素晴らしいと、感嘆の声を上げる博士を見て、漸く違和感の正体に気づいた。


「半仙獣と言った所か…しかも片翼とは…面白い」


バッと後ろを見ると大きな翼が服を突き破り、その姿を表してしまっていた。

本能的に危険と感じた為に元の姿に戻ってしまった。

仙獣の姿は、仙人の誇り。

この姿を晒してしまった事への悔しさから俯向くと散兵は徐ろに拍手をした。


「分かっただろう?僕達が少し腕を振るだけでこうも変わるんだ」


勝ち誇った様に散兵は僕に近づいてくる。


「僕はこの大陸を支配する神になる。君の敬愛する岩神が僕の手で壊れるのも時間の問題」

「仙人である君も、僕に忠誠を誓う運命なのさ」


頭が真っ白になった。


「…もういい、黙れ」


武神の手は煩わせない、僕がやる。

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作者名: | 作成日時:2023年9月17日 22時

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