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魈を救出した事により、地下の真相がより一層明らかになった。

皆は太威儀盤を使って様々な者と戦いながら着々と、色々な真相を紐解いていったらしい。

そしてその太威儀盤の中に、アビスの顕現を見つけ、旅人は再び空を見つける事ができた。


「って事は…空に会ったの?」

「うぅん、幻影だった…でも脱出する為の手立ては見つけられたから、まぁいっかなって」


あんな場所で再会してもね、と旅人は寂しそうに笑った。

空の幻影の近くにも太威儀盤があり、夜蘭が太威儀盤の仕様を突き止めようとしてくれたらしい。

結果として、太威儀盤の羅針盤が祓いの触媒である事が判明し、人間と仙人の力を使う事で地表まで連れて行く事ができるという物だった。

魈が力の維持を担当し、地表へと急いだが妖魔や悪魂に襲われてしまい、魈は他の皆を力を振り絞って地表へ出した。

彼の自己犠牲精神は根幹からあるものだ、誰にも取り払えはしないだろう。

どんな気持ちで落ちていったかなんて、想像するだけで胸が苦しくなる。


「でも魈は地表に戻ってくる事ができたんだ、魈自身も驚いてたんだよ」

「あの時はオイラ超怖かったんだぞ〜!」


金色の光に呑まれたと言う魈は、誰が助けたのかをわかっていたと言う。

それもその筈だ。妖魔や悪魂蔓延る地下で仙人を救える者なんて限られている。


「帝君も存外、親ばかだなぁ」


くすくすと笑っていると旅人はその後の事も話してくれた。

魈以外の民と解散し、旅人と魈は銅雀の寺で様々な事を話したらしい。

浮舎様の事、自分の過去と行動を振り返った魈は、仙衆夜叉である死した仲間を英雄と自身の中で称えたという。

魈の中で色んな変化が起きてる事を嬉しく思ったと同時に、そこにいたのが旅人で良かったなと思う。

旅人達民に心を開いてくれてる様子は僕がずっと望んでた姿だ。


「ありがとう旅人、教えてくれて…それから、魈を救ってくれて」

「え?私もパイモンも何もしてないよ?」

「旅人は身体的にも、精神的にも救ってくれたよ。それが意図していなくても、魈は救われてる」


二人は難しそうに首を傾げた。


「仙人は高貴で不器用で一人で解決しようとする、変化があるのはいい事だね」

「んー?よくわからないぞ?」

「パイモンには…ずっと分かんないかもね」

「何を〜!」


突進してくるパイモンと、不思議そうな旅人。

難しくは考えなくていいと思う、ただそこに魈が生きてる事実と救われた事実があるだけだから。

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作者名: | 作成日時:2023年9月17日 22時

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