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「そう言えばオイラたちと合流する前、お前どこに行ってたんだ？」
「…ちょっと、民とお話してきただけだよ？」
「…Aのちょっとはちょっとじゃないと思うぞ」
ジト目で僕を見つめるパイモンの視線から逃れようと視線を逸らすと、今度は旅人のジト目が見える。
「そう言えば私達と稲妻で別れた後も、どこに行ってたのかな〜？」
「え、っと…その…」
面白がり始めた二人に挟まれてどう言い訳しようか、と悩んでいると旅人は耐えられなくなったのか吹き出した。
「あっはは！そこまで悩まなくてもいいよ、無理に聞こうなんて思ってないし。…パイモンは知らないけど」
「オイラはちょっと気になるけどな！」
「…本当に肝が座ってるのか何なのか、意地が悪いよ二人共」
「あ、Aが拗ねた」
拗ねてないし、と今度は僕が二人をジト目で見つめた。
それが面白かったのか旅人はまたケラケラと笑い出した。
「ふふ、璃月での騒動の時にAが来なかったからAが忙しいのは知ってたよ」
「璃月で騒動？何があったの？」
「あれ、聞いてない？」
「聞いてたらAが飛んでこない筈ないだろ」
「それもそっか」
どこから話そうか、と旅人は璃月の騒動とやらについて話してくれた。
層岩巨淵に向かった旅人達は、煙緋や一斗、忍、夜蘭と出会い、不幸に奇妙な場所へ落とされてしまったらしい。
出られなくなってしまい、仕方なく旅人が魈を呼んだが反応がなかったらしく全員で脱出の機会を伺った。
その頃の魈は無名夜叉と呼ばれていた嘗ての仲間、浮舎様を探して旅人達と同じ様な場所にいたらしい。
「浮舎様を…？まぁ璃月は落ち着いたし時間もあるか…」
「仙衆夜叉だって魈は言ってたぞ、お前も知ってるのか？」
「仙人の誇り、言わば英雄だよ？知らない訳ない」
騰蛇太元帥の浮舎様、火鼠大将の応達様、螺巻大将の伐難様、心猿大将の弥怒様。
そして、金鵬大将の金鵬様…今の名を降魔大聖、魈。
よく帝君達に英雄である仙衆夜叉について聞いて回ったものだ。
「あの頃の魈は笑顔も多かったって帝君に聞いて…って、何でもない続けて」
「ふふ、じゃあ続けるね」
こほんと咳払いをすると旅人は面白そうに笑い、話の続きをしてくれた。
旅人一行はその場所が幻影使って民達を脅かす場所だと悟り、様々な者の助けを通して別空間にいた魈の救出に成功したと。
僕には危険だからって戦闘もさせてくれなかったのに…今夜絶対魈の夢枕に立ってやる。
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作者名：光 | 作成日時：2023年9月17日 22時
