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教令院の書記官、アルハイゼン。
言わずもがな教令院の重鎮の一人で、草の神の目持ちの民だ。
冷酷かつ淡白な一面を持ちつつ、賢明で真面目な民と記憶している。
先日カーヴェを迎えに来た時に出会ったきりだけど、こんな形で再会するとは。
旅人と打ち解けられるって事は良い民なんだろうけど、何せさっきまで教令院の底を見てきたものだから…。
じっと見つめていると、アルハイゼンは小さくため息をついて僕に向き直った。
「…神柱様は俺の事が余程気になるらしい」
「見すぎたのは悪かったよ、神柱ってよく分かったね」
「俺の同居人が君にあった日以来神柱様が、と喧しい。あまり信じていなかったがその反応からして事実の様だ」
何より幾度となく本で読んだ事がある。とアルハイゼンは続けた。
知恵に貪欲で好奇心もさながらの様子に流石草の神に見初められただけの事はあると心の中で拍手を送った。
「ご明察、勤勉な民は好きだよ」
にこりと笑みを浮かべるとアルハイゼンは怪訝そうな顔した。
あえてそれには気付かないふりをして、三人の会話を聞くことに専念した。
三人の会話を聞くに、やはり神の缶詰知識はスメール全土にとても有益かつ貴重な情報を与えてくれる物らしい。
僕はアーカーシャ端末をつけていないし、神の缶詰知識を使わなくても世界樹に干渉できるからよくわからないけど。
ぼーっと話聞いていると、三人は缶詰知識の使い方を得るべく少し離れた所に移動し始めた。
「おーいA〜！置いていくぞ!」
「あ、今行くよ」
――――――
「うぅ…オイラ達のモラがぁ…」
「0.073%って、これまた微妙な数値だね」
ずぅんと沈んでいるパイモンを横で慰める。
剣術関係の缶詰知識を使用した所旅人の能力があまり上がらなかったらしい。
そしてその缶詰知識の値段が結構馬鹿にならない価格で、モラ大好きパイモンは落ち込んでいる。
まぁ旅団達が使用する知識では旅人を満足させられなかったんだろう、また一段と強くなってる。
「素振りなんて珍しいね旅人」
「ちょっとでも強くなってた方が良いかなって。Aもどう？」
「僕はいいかな、ちょっと疲れてるし」
ぶんぶんと剣を振り回して練習台に斬りつけていく旅人を眺める。
太刀筋もかなり良くなってる、公子が見たら喜んで旅人に突っ込んでいくだろう。
そういえばスネージナヤで博士と睨み合いになったから話し途中のまま公子置いて来ちゃったな。
「まぁいっか」
公子だし。
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作者名：光 | 作成日時：2023年9月17日 22時
