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一段と薄暗く濃度の濃い部屋、禍々しい程の邪気を感じた先には大きな傘を被った少年がいた。

背丈は僕よりちょっとだけ高い…万葉と同じ位だろう。


「ねぇ、君が執行官様って呼ばれてた奴であってる?」

「如何にも。僕が第6位執行官、散兵さ」


初めまして神柱、と胡散臭い笑みを張り付けた散兵がそこに立っていた。

ファデュイ、特に執行官はどうしてこんなにも笑みが胡散臭いのだろう、癖か?

それにしても散兵か…僕はこの子が傾奇者だった頃しか知らないから違和感が凄い。


「ん?何か言いたげな顔をしているね、邪眼の事にでも口を出しに来たのかな?」

「それもあるけど…あの頃はもうちょっと可愛い顔で笑ってた気がしただけ」


そういった瞬間散兵は僕目掛けて飛びかかってきた。

即座にシールドを張り防御すると、散兵のその顔は酷く歪んでいた。


「あの時の話をするな神柱!」

「それはごめんね、もう言わないからその機嫌と雷元素どうにかしてよ」

「…チッ、君が神柱じゃなかったら殺してるよ」

「普通の民でも殺して欲しくはないんだけど…神柱の前で言う事じゃないし」

「ふん、僕の知った事じゃないよ。で?何しに来たのさ」

「あぁ、本来の目的を忘れてたや」


ここではなんだろうとちょっとした執務室に通して貰った。

散兵思ったより優しいななんて思っていたら構成員蹴った挙句に冷たい目線を浴びせてて下っ端君可哀そうだった。

そうして僕は散兵に邪眼を生成している事等を尋ねた。

流石にファデュイが稲妻でやっている事や動きについては聞かせて貰えなかったけど。


「神柱からしたら邪眼はご法度なんだっけ?壊しにでも来たのかい」

「壊したい所ではあるけど実害が今の所僕の体へだけだから何とも言えないんだよな…」

「実害が民に出たら壊すって風に聞こえるよ」

「そう言ってるの。邪眼を作ってる民らに影響はないの?」

「さぁ…?」


そう言って散兵は不敵に笑ってはぐらかした後、お茶を飲み干した。


「ふふ、でも滑稽じゃないか」

「なにが?」

「神の眼差しを渇望し、その偽物によって命を落とす…やはり愚かだ」

「…神は気まぐれだからね。どんな意図を以て僕たちに力を与えるか…未だわからないままだよ」

「…それを神に近い君が言うのかい」

「近くても神じゃないからね」


内部調査はこんな物か、と僕もお茶を口へと運んだ。


「うぇこれ何にっが!」

「茶は苦ければ苦い程いいじゃないか」

「甘党に配慮してよ!」

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作者名: | 作成日時:2023年9月17日 22時

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