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「…そこの君、今賢者アザールはいるか?」

「え?あ、はい…執務室にいると思います」

「そう、感謝する」


教令院に顔を出すに当たって自分の中で決めた事は主に2つ。

1つ、神柱として威厳を保つ為に少し強めの物言いをする事。

2つ、表情を作る事。

どちらも舐められない為に必要だといつか削月様たちに教わっていた事だ。

感覚的には表情は神里綾人、言い方は帝君と魈を足して2で割った物に僕を追加した様な物。

ツカツカと教令院の内部へ進み、扉の前に立っている民を一睨みする。

教令院内部は今慌ただしく動いている。

それはそうだ、神柱がきたのだから知られたくない情報を隠さなければならないだろう。


「長旅ご苦労様で御座います神柱様。アザール様は今…」

「いない、とでも言いたげだね…いると聞いたから来たのだけど?」

「い、いえ滅相も…」

「じゃあ通してくれるね?聡明な君達なら知ってるだろう、僕は忙しいんだ」


可愛そうに。重鎮たちにここを任されるばかりか神柱にこんな風に言われるなんて。

この奥で御座います、と示され下がっていいよと手を挙げる。

言われた通りお辞儀をして下がる民に、この位はと声をかける。


「ご苦労様、ありがとう」


にこりと笑うと民は慌てた様に「滅相もございません!」とまたお辞儀をして静かに去って行った。

重たい扉をゴンゴンと叩き遠慮なく扉の奥へ入る。

そこは何人かの民が忙しなく動いた後の様な気が残っていた。


「やぁアザール、初めましてだね」

「お会いできて光栄で御座います、神柱様。現賢者のアザールと申します…ささ、どうぞこちらへ」


奥の長椅子に通され、言われるがまま座ると茶を差し出された。

アザール達賢者は丁寧にしてくれているが、目の奥が黒く歪んでいる。

また騙せると思ってるのが憎たらしい。

でも今日は内部調査と情報の裏付けだ、別に草神に会う事は重要じゃない。


「どうかな?スメールの草神様はお元気かな?」

「はい、変わらず民にお優しく…」

「それは何よりだね。君達も元気そうで良かったよ」


君達の言うその草神は誰だ、と問いたくなるのをグッと堪えた。

こんなに簡単に嘘がつけるのか、神を閉ざして神柱を騙して…新しい神を創るだと?

奥歯を噛み締めて、怒りがわからない様に笑った。


「そういえば…警備を強固にしたと聞いたけど何かあったのかな?」


少し苛立ってしまい、質問を投げかけるとにこやかにしていたアザールの顔が一瞬強張った。

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作者名: | 作成日時:2023年9月17日 22時

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