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旅人の言う大樹はきっと世界樹の事だ。
世界が私を忘れて？、世界樹の女の子なんて、そんなの一人しかいないじゃないか。
「大丈夫か？A、顔色が悪いぞ」
「大丈夫だよ、考える事が多いのは大変だね」
「そうだな…あ！でもドニアザード達から聞いたんだけど、今年は祭りが行われるみたいだぞ！」
「え、祭り？なんの？」
「花神誕祭だよ。バザーでニィロウが躍るんだって」
ドニアザードの資金援助によりバザーが綺麗になった事で小さな花神誕祭を民達で行う事にしたそうだ。
「それはいいね。良かった、まだ花神誕祭に思いを馳せてる民がいて」
ブエルに、クラクサナリデビに信仰を寄せる民が温かいものでよかった。
旅人たちの話を聞いて安堵していると、パイモンがあっと声を上げた。
「そうだ！おいら達今から探し物をしに行くんだ！」
「探し物？何処に？」
「オルモス港に草神に関わる物があるって教えて貰ったんだ。それを確認しようと思って」
「ブエルに？詳しく教えて」
教令院の民がアアル村に運ぼうとしていたとある貴重な物が道中で奪われ、それがオルモス港に行き着いたらしい。
オルモス港はスメールの商業港だ、もしそれが本当にブエルに関するものならば流れるとまずい。
ブエルに関する、教令院の大事な物。答えは一つしか出ないけど。
「にしてもオルモス港か…はぁ、あんまり気乗りしないね」
「ん？なんでだ？」
「あそこの民はスカーレットキング信者が多くてね、姿をみせる度に復活させろって煩いんだ」
もうスカーレットキングはずっと前に亡くなっているのに。
しかもその死の原因すら誤解してる民が多いのなんの。歴史書を読み返した方がいい。
「そうなのか…じゃあおいら達情報を集めて探し物をしてくるから、またここで待ち合わせしようぜ！」
「ふふ、気遣いありがとう。でも用事を済ませたら僕がそっちにいくから二人はゆっくり情報集めをしてきてよ」
「そうか？じゃあそうしよう！」
「じゃあまた、オルモス港で。気を付けてね」
去っていく二人の背中を見つめながら行き先が決まった事に安堵する。
旅人たちの話にも有益な情報があって大助かりだ。
確か旅人は、教令院が警備を強化したと言っていた。
教令院がアレを無くしたのは一大事だけど、それだけで警備を強化する様なタマじゃない。
となると、残されている選択肢や可能性は一つに絞られる。
「さて…じゃあ計画の探りと行きますか」
黒幕の、教令院に。
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作者名：光 | 作成日時：2023年9月17日 22時
