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「僕が現世で生きてる時間なんて、普通の民よりちょっと長い位だからね」


ほんと、数年。セレスティアにいる時間が長すぎる。

剣術磨いて、自分の力を強めて、国を統治して、なんて僕にはできない。


「凄いね、皆」


よしよしと3人の頭を撫でると、豆鉄砲を食らった様に驚いていた。

そりゃそうか、国のお偉方なんて頭撫でられる経験は殆どないか。

帝君達にして貰う様に流れでやってしまった。


「A先生、もうちょっとやって」

「え?」

「もうちょっとこのまま」


そういって彦卿は気持ちよさそうに目を瞑った。

出会った当初は公子みたいな民がここにも…とげんなりしたが年相応に可愛らしい所もあるものだ。

あっちに戻ったら公子に彦卿の健気さを語ってあげないと。


「…し、仕方ないから私も暫くこうしていてあげるわ」

「ふむ…では私は横で昼寝でもしよう。みーみー、こっちに」


符玄はまんざらでもなさそうにされるがまま僕に頭を撫でられ続けていた。

景元はするりと二人の間から抜け、みーみーと呼ばれた真っ白なライオンに身を預けて睡眠をとり始めた。

なんだここは、自由か?自由人の集まりか?


「A先生、あっちに戻ってもまた遊びに来てね」

「異世界って行き来できる様なものでもないよ…」

「それでも!僕もっと強くなるから、次は絶対白星をあげるから」

「何百年後の話かしらね」

「符玄様!A先生、絶対だよ」


会いに来てね、と屈託もなく笑う彦卿に何と答えたら、と迷っていると符玄がため息をついた。


「まぁ、そんなもしもの時が来るのなら貴方だったら歓迎してあげるわ」

「符玄まで…」

「今度はあっちの強い人も連れてきてね。A先生の好きな人も」

「へあ?!な、なんで…」


彦卿の爆弾発言に思わず大きな声を出してしまい、符玄に煩いと窘められてしまう。

しょうがないだろう…一言だってそんな事言ってないのに。

ポーカーフェイスとやらを学んだ方が良いかもしれない。


「A殿、昼寝後は私に付き合って貰おう」

「へ?」


ちらりと目を開けた景元がとんでもない要求をしだした。


「彦卿ばかりでは狡いからね、私は将棋の相手を頼もうかな」

「え、ちょ僕将棋苦手!あ、こら寝るんじゃない!」


そうして僕は景元に5回戦ほど将棋に付き合わされ、符玄の職務を4時間ほど手伝う事になった。


――――――

多分無事に帰りました。アビスは氷漬けになったので何世紀か後に解凍すると思います。

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作者名: | 作成日時:2023年9月17日 22時

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