【 Mfmf 】The opposite magic.【 Srr 】 ページ20
ひとしずく×やま△ 様の楽曲である『 魔法の鏡 』、『 鏡の魔法 』パロ。
夢主はおりません。
まふまふ少年 ( 14歳 ) です。
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Mfmf Side
天井裏の狭い小さな部屋。
そこはとても埃っぽく、あるのは小さなベッドとタンス、そして古ぼけた大きな鏡だけだった。
ふと窓の外を見る。今は昼前だと言うのに外は黒い雲で覆われていた。
「 … 戦争なんて、早く終わってくれないかな、 」
そしたらきっと、お父さんは戦争から帰ってきてくれて、お母さんは安心して前みたいに笑顔になってくれる。
そしてお休みの日にはお父さんとお母さんと外に出て、たくさん遊んで … 。
そして、そして。
僕のことを撫でて 良い子だね って褒めてくれて。
そんな普通の家族の幸せを思い浮かべる。
… 僕がここに移ったのはいつからだっただろう。
戦争が始まって、生活がちょっとずつ厳しくなってきて。
… お父さんが戦争に行って、僕の足も動かなくなってしまって … それからだったかな。
僕を見てるとお父さんを思い出して泣きたくなる、なんて言って子供部屋からここに移った。
お母さんは1日に1回は必ず僕に会いに行くと言っていたのに、ここに移ったその日からずっと誰1人として僕に会いに来てくれたことは無かった。
─────
曇天が一向に変わらないある日のこと。
古ぼけた鏡に突然少年の姿が映った気がした。
僕は驚いて咄嗟に “ だ、誰 … ですか … !! ” と聞いてしまった。もしかしたら僕の見間違いかもしれないのに。
「 俺?俺は … んー … 魔法使い、かな。 」
「 魔法使い … ? 」
魔法使いと名乗ったその綺麗な黒髪に透き通るような青色の瞳の人は微笑みながら “ … 嗚呼、君だけの魔法使いだ ” と言った。
──それから僕の日常は変化していった。
理由は初めて出来た … あれ、これって …
「 … “ 友達 ” って呼んでいいんですか … 、!? 」
「 はは、今更かよ 」
彼はクスクスと笑いながら “ 友達だよ ” と言ってくれて。
“ 手でも繋ぐ? ” なんて言われて僕は戸惑いながらも鏡越しに彼の手を握る。
… 鏡越しであるはずなのに、何故かとても暖かくて涙が零れ落ちた。
このままずっと、本当に彼の手を握っててもいいの?
暖かくて僕にはとても勿体なくて。でもその暖かい手を求めてしまう。
鏡の向こうにいる彼のような優しい手を。
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