19. 拒絶 ページ20
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SIDE−A
「さあ、A。」
私は今、目の前のこの男に_兄様に手を差し伸べられている。
「行くな、.._A」
衰弱しながらも私を引き止める沖田。
私には此処に残る義理も理由もないが、兄様に着いて行くなど無論以ての外だ。
「私はあなたとは一緒に行かない」
「__..何故。誑かされたのか、この男に?」
先刻とは変わって兄様は、ギロっと私を蔑むような煩わしく思うようなそんな目で睨みつけた。
「違う。..私の意思だよ、兄様」
顔を見れなかった。
兄様を傷付けたかったわけじゃない。ただ、私はこの人とは_兄様とは一緒に居られない。
私と兄様は違う。
一緒に居てはいけないんだ。
私はコレを終わらせないと_
「お願い。_もう辞めて。」
私がそう言うと、_
「待てッ_!!ゔあッ__」
兄様は私達に背を向けて歩き出した。
それと同時に沖田は兄様を追いかけようとしたが、身体に限界が来てそれは叶わず、倒れ込んでしまった。
「クソッ..僕は_僕はまだ戦えるッ」
「__また、迎えに来る。」
そう言ってこちらを一度も振り返らずに、それだけ言葉を残して兄様は窓から去って行った。
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作者名:おさとう | 作成日時:2021年5月3日 18時