2. 出会い ページ2
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SIDE−千鶴
チャキンッ
彼女に見惚れていたら、いつのまに来たのかまた浅葱色の羽織を着た男性が私に刀を向けた。
「!」
「いいか、逃げるなよ。背を向けたら斬る」
靡く漆黒の髪に私は息を呑んだ。
「..何用だ」
彼女がこちらを振り向き、私に刃を向ける男性に尋ねた。
その時の感動を私は忘れない。
ひどく整った顔立ちに、雪のような白い肌に映えるあの赤い目を。
「さっきの見ちゃったでしょ、だから君たちをタダで返す訳にはいかなくなっちゃったんだよネ」
「..それならそこの女子は見ておらぬ、釈放しろ」
え?もしかしてこの女性は私のことを庇ってくれている?
「え〜、嘘だぁ」
「私が事が収まるまで目を瞑っていろと言ったのだ、刀を下ろせ」
「悪いがそれはできねぇな」
そのときフッと突然、頭が軽くなったような気がしたと思えば_
ドサッ
気付けば私の視界は暗くなっていた。
今眠ったらダメなのに。
彼女にお礼を言わなくちゃ。
それに今、眠ったら____
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作者名:おさとう | 作成日時:2021年5月3日 18時